【支援機関向け】中小企業の「知財の価値」をどう伝える?〜金融機関・商工会の現場で役立つ、知財の見せ方・伝え方〜
2025.06.12
「うちの支援先、知財なんて縁ないと思ってて…」
こんな声、商工会や金融機関の支援担当者からよくいただきます。
こんにちは、弁理士の植田です。
中小企業の現場では、
「知財ってうちには関係ないやろ」
「商標?特許?そんなん大企業の話やろ」
という認識がまだまだ根強いのが現実です。
でも実は、“目に見えにくい資産”=知財が、企業価値や将来性に直結することは少なくありません。
■じゃあ、どうすれば「伝わる」のか?
支援者として知財の重要性を伝えるとき、
いきなり法律の話をしても響きません。
ポイントは──
「今やってること」×「守る」=“次の一手が打てる”という未来視点で伝えること。
■知財の“伝え方”3つの切り口
① 「守るものがある=価値がある」と伝える
● ロゴ、商品名、パッケージ、独自の工程やシステム…
→ それが「他社にマネされたら困るもの」なら、
→ それこそが守るべき知財=無形資産です。
●「それって“ウチにしかできへん強み”ですよね?守っとかな損かもです」
② 「資金調達・補助金でも、知財が効く」ことを伝える
知財を持っていると──
- 補助金で加点対象になる(例:ものづくり補助金)
- 出資・M&A時に企業価値として評価されやすい
- 他社と差別化できる“ストーリーある経営”に見える
●「金融機関・投資家が“知財”を見るのは、技術やブランドの再現性を評価してるんですよ」
③ 「今のうちに守らないと“取られる”可能性」も伝える
・ネーミングやロゴを先に出して
・ 後から他社に商標を取られてトラブルに…という相談は本当に多い!
●「せっかく頑張って育てたブランドが、後から“使えません”ってなったら悔しいでしょ?」
■支援現場で伝えやすくする“ひとこと資料”をつくろう
支援者側が「知財は大事です!」と言っても、
経営者にとってはまだピンとこないことも。
そこでおすすめなのが、
ひと目で伝わる“ひとことチェックリスト”や“事例フライヤー”の活用です。
■たとえば、こんな切り口:
・ この名前、商標登録されてますか?
・ そのロゴ、著作権は誰のもの?
・ 競合に真似されたくないノウハウ、ありますか?
・ 商品の“見た目”、守れてますか?(意匠登録)
上記を「1つでもYESなら、知財活用のチャンスあり」と伝えれば、会話が生まれやすくなります。
まとめ:知財の価値は“未来の選択肢”を増やすこと
- ブランドやノウハウを守れる
- 出資やM&Aで評価がつく
- 技術力や構想に“証拠”が残せる
知財を理解し、うまく使う企業は、
次の成長のカードを持っているとも言えます。
■相談先として紹介しやすい体制を
弁理士として、商標・特許・意匠などの初期相談から、
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