【事業承継で消える知財】“名前・ロゴ・ノウハウ”は引き継がれない!?
2026.02.07
こんにちは、弁理士の植田です。
「事業承継」というと、つい“株式”や“経営権”の話に目が向きがちです。
でも本当に大切なのは、「何を引き継ぐか」ではなく、「何が引き継がれないまま失われるか」かもしれません。
実は、会社の財産でありながら、見落とされがちなのが“知的財産”。
長年使ってきた会社名、ロゴ、商品名、マニュアル、そして技術ノウハウ……
しっかりと承継の対象に入っていないと、事業そのものの価値が下がるリスクすらあります。
■ 知財が「誰のものか」整理されていない!?
事業承継の現場でよくあるのが、「この商標、実は社長個人名義でした」というケース。
たとえば──
・ロゴは外注デザイナーに作ってもらったまま契約書がない
・商標やドメインが先代社長の個人で登録されている
・社内の手順書・技術資料が誰の作成か分からず、引き継ぎ不能
いざ次世代が引き継いでも、「権利の所在が不明」だと使い続けることすらできなくなるのです。
■ 商標や意匠の“更新漏れ”にも注意
商標や意匠権は、更新手続きが必要な期間制の権利です。
引き継ぎのタイミングで手続きが抜けると、せっかく守っていた権利が無効になることも。
「ロゴはそのまま使っていたのに、気づいたら商標が切れていた」
「ブランド名の権利が消えて、他社に使われた」
こんなトラブルも、事業承継では実際に起きています。
■ ノウハウ・技術資料が“人ごと消える”
職人の勘、ベテラン社員のコツ、営業トークの言い回し──
書面に残っていない知見が、人の退職とともに失われるのも大きな課題。
「知ってる人がいなくなったら、もう作れない」
「売り方が分からず、取引先が減った」
これは、“形式知化されていない知的財産”が承継できなかった結果なのです。
■ 今こそ“知財の棚卸し”を
事業承継に向けてやっておくべきことの一つが、「知的財産の棚卸し」です。
- 登録済みの商標・特許・意匠の有無と名義の確認
- ノウハウや手順を文書化(マニュアル化)
- ロゴ・商品名などの使用権契約の見直し
- 外部との共同開発の成果物の整理
これらを把握することで、事業の「見えない価値」も次の世代に引き継げるようになります。
■ まとめ:知財は“見えない資産”だからこそ承継を忘れずに
事業承継で引き継ぐべきなのは、「目に見えるモノ」だけではありません。
その会社ならではの名前、デザイン、ノウハウといった知的財産こそ、次の時代の“武器”になる資産です。
でも、何も対策しなければ、知らぬ間に消えてしまいます。
「まだ早い」と思っていても、“今のうちから整理しておく”ことが最大のリスクヘッジ。
承継の準備は、経営の“見えない資産”を見直す絶好のタイミング。
まずは一度、「うちの知財、引き継げる状態になっているか?」を見直してみてはいかがでしょうか。
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