【技術者と経営者のギャップ】特許の価値を“お金の言葉”で語るには?
2025.08.14
こんにちは、弁理士の植田です。
技術者と経営者が知財の打ち合わせをするとき、
同じ“特許”を話題にしていても、
頭の中の「物差し」がまったく違うことがあります。
・技術者 → 「この構造は世界初」「競合の技術を回避できる」
・経営者 → 「それで売上はいくら増える?」「コストは何年で回収できる?」
このギャップを埋めないと、
せっかくの特許も「価値がよくわからないコスト」で終わってしまいます。
■ なぜ“お金の言葉”が必要なのか?
経営者は会社全体の資源配分を考えます。
特許はもちろん重要ですが、マーケティング、採用、設備投資…他にも使い道は山ほど。
その中で知財予算を確保するには、
「売上や利益にどうつながるか」を説明する必要があります。
特許の技術的すごさを語るだけでは、判断材料として不足してしまうのです。
■ “お金の言葉”に翻訳する3つの視点
1. 売上増加の根拠
「この特許を使うことで、〇〇市場に参入でき、年間○億円の売上が見込める」
→ 新市場の開拓や高価格帯商品の実現など、具体的に。
2. コスト削減の効果
「競合の特許回避に成功し、訴訟やライセンス料の支払いを回避できる」
→ 守ることによる“節約”も立派な価値。
3. 交渉力アップ
「この特許を武器に、大手メーカーとの共同開発契約で条件を有利にできる」
→ 技術そのものではなく、ビジネス交渉のカードとしての利用価値。
■ 事例:同じ特許でも評価が変わる
技術者の説明
「この構造は摩耗を50%減らせるので耐久性が上がります」
経営者向けに翻訳
「耐久性が上がることで、修理・交換コストを年間500万円削減できます。さらに長期保証が可能になるため、プレミア価格で販売できます」
→ 数字が入ると、投資判断がしやすくなるのがわかりますよね。
■ まとめ
特許の価値は、技術的価値と経済的価値の両方で決まります。
社内での理解を得るためには、
経営者の物差し=お金の言葉で語ることが欠かせません。
特許を「技術の自慢話」で終わらせず、
“数字のある戦略ツール”として提示できるかが、知財部門の腕の見せどころです。
📌 当事務所では、技術の価値を“お金の言葉”に翻訳する
知財価値評価レポートや、社内説明用の資料作成もサポートしています。
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