【SaaS×特許】アルゴリズムは守れる?審査で通る“技術要件”を噛み砕き解説
2025.09.07
こんにちは、弁理士の植田です。
SaaSサービスを展開する企業から、よくいただく質問があります。
「このアルゴリズム、特許で守れるんですか?」
結論から言うと── アルゴリズム単体では特許は難しい です。
ですが、「技術要件」を満たす形に落とし込めば、SaaSの仕組みも十分に特許として認められる可能性があります。
今日はそのポイントを噛み砕いて解説します。
■ アルゴリズムそのものはNG
特許庁は「単なる数学的な公式」や
「人間の頭の中だけで完結するルール」は特許対象外としています。
例)
・データをこう並び替える数式
・点数をこう計算するルール
・単なる業務フローの整理
👉 “アイデア”や“数式”だけではダメ ということです。
■ 通るための「技術要件」とは?
では、どうすれば審査をクリアできるのでしょうか?
ポイントは 「技術分野で具体的に使われる」ことを示す ことです。
技術要件の具体例
1.コンピュータで処理することを明示
・「サーバ上でユーザ入力を受け取り、データベースに保存」
・「クラウド環境で分散処理を行う」
2.ハードウェアやネットワークとの関わり
・「センサーから取得したデータをアルゴリズムで解析」
・「APIを介して複数システム間の通信を最適化」
3.性能改善やリソース効率化の効果を示す
・「処理速度を50%向上させた」
・「通信コストを削減した」
👉 SaaSなら、「サーバ負荷の軽減」「ユーザ体験の向上」など、実装による技術的効果 を書くことが重要です。
■事例イメージ(SaaSでの特許化)
・OKな例
「クラウド上でユーザ行動ログを収集し、
独自アルゴリズムで解析 → レコメンド精度を向上」
・NGな例
「ユーザの好みをスコア化してランキングするルール」
(=頭の中でできる処理、技術分野での実装が見えない)
● まとめ
・アルゴリズム単体は守れない
・でも「クラウド実装」「データ処理」「性能改善」を絡めれば特許化可能
・SaaS特有の強み(スケーラビリティ、API連携、UX改善)を“技術的効果”として明示することがカギ
SaaSの世界は進化が速く、競合もすぐに追随します。
だからこそ、「アイデア」ではなく「仕組み」を特許として固めておくことが、参入障壁になります。
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