【SaaS企業向け】アルゴリズムや仕組みは特許になる?審査で通るポイント
2025.09.14
こんにちは、弁理士の植田です。
SaaSビジネスに取り組む企業様から、よくこんな質問をいただきます。
「うちのアルゴリズムや仕組みって、特許になりますか?」
結論から言えば――ポイントを押さえれば“特許になる”可能性は十分あります。
ただし、審査で通すにはいくつかの注意点があります。
1. アルゴリズム単体では「抽象的すぎる」
まず知っておくべきは、数学的な式や抽象的な考え方だけでは
特許にならないということです。
例:
✗ 「データを効率よく処理する数式そのもの」
✗ 「AとBを比較して結果を出す考え方」
これは「単なるアイデア」とみなされ、拒絶されやすいです。
2. “技術的な効果”があることが重要
特許庁が重視するのは、そのアルゴリズムや仕組みが、
具体的な技術課題をどう解決しているかです。
■ サーバー処理速度を改善した
■ 通信量を削減してレスポンスが速くなった
■ セキュリティリスクを下げた
このように「技術的な効果」が説明できると、
一気に特許の可能性が高まります。
3. SaaSならではの“業務フロー+技術”で狙う
SaaS特許の多くは、「業務フローの工夫」と「技術的な実装」
の組み合わせで認められています。
例えば:
・予約システムでの空き枠自動調整アルゴリズム
・顧客データを匿名化しつつ分析する仕組み
・AIがレコメンドを返す際の処理の最適化
これらは「ただの業務アイデア」ではなく、
クラウド環境でどう動くかがポイントになります。
4. 出願時に意識したい“3つの視点”
SaaS企業が特許出願をする際は、
次の3点を意識すると通りやすくなります。
1.課題の明確化
「既存の仕組みでは何が不便だったか?」を言語化。
2.解決手段の具体化
処理手順・データの流れ・システム構成を具体的に書く。
3.効果の数値化
「処理時間を30%削減」「通信量を1/2に」など、
効果を数値で示す。
● まとめ
アルゴリズムや仕組みは、それだけでは抽象的すぎて
特許になりません。
ですが、
・技術的効果がある
・SaaSならではのシステム実装と結びついている
・出願時に課題→解決→効果を具体的に示す
この3点を押さえれば、SaaS企業の仕組みは
“特許”として守ることが可能です。
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