1人起業家でもできる!最低限見ておきたい知財3本柱(特許・商標・意匠)
2025.10.04
こんにちは、弁理士の植田です。
起業準備やスモールビジネスを始めたとき、
つい後回しにされがちなのが「知的財産(知財)」です。
「まだ売れてないし…」「そんなの大企業だけの話でしょ?」と思いがちですが、
実は個人でも知財で守れるもの、守るべきものはたくさんあります。
今回は、1人起業家・個人事業主でもチェックしておきたい
『知財の3本柱(特許・商標・意匠)』について、最低限押さえておくべきこと
をわかりやすく解説します。
1. 商標 〜屋号・サービス名・ロゴを守る
まず最優先でチェックしてほしいのが「商標(しょうひょう)」です。
商標とは、あなたのビジネスの「名前」や「ロゴ」
などの目印を独占できる権利のこと。
たとえば、こんなものが該当します
・屋号(例:〇〇デザイン)
・サービス名(例:△△英会話)
・ロゴマーク
・キャッチコピー など
なぜ重要かというと、後から他人に先に登録されてしまうリスクがあるからです。
実際、「せっかくホームページも名刺も作ったのに、
商標が取られていて使えない…」という相談は後を絶ちません。
■ 今すぐやっておくべきこと
・J-PlatPat(特許庁の無料データベース)で、名前がすでに登録されていないか調べる
・出願する場合は、使用するロゴやサービス内容に応じて「区分」を選定する
・本格的に始める前に、先取りしておくのが最善の防衛策です
2. 特許 〜「仕組み」「アイデア」で差別化する
「特許(とっきょ)」というと、大企業の技術や発明のイメージがあるかもしれませんが、
実は個人や小規模事業者でも特許が取れる事例はたくさんあります。
ポイントは、「モノ」でなくても、「方法」「仕組み」でも対象になりうるということ。
・独自の業務フローや予約システムの仕組み
・SaaSのアルゴリズム
・アナログ作業を効率化するDIY工夫
・新しい決済・マッチング方法 など
特に今は「ビジネスモデル特許」と呼ばれるジャンルが広がっており、
“技術的な仕組み”を持つサービスであればチャンスがあります。
■ 気をつけること
・「アイデア段階」でも、出願しないと他人に先を越される可能性がある
・公開前(発表・販売前)に、専門家に相談するのがベスト
・自分の発明が特許になるかどうかは、
弁理士の無料相談などを活用してチェックしましょう
3. 意匠 〜「見た目」のデザインも権利で守れる
3つ目の柱が「意匠(いしょう)」、いわゆる“見た目のデザイン”を守る権利です。
たとえば、次のようなものが意匠登録の対象になります
・商品の形状(例:オリジナルボトル、家具、雑貨など)
・パッケージデザイン(ラベル、箱、袋など)
・UI画面(スマホアプリの画面デザイン)
・Webサービスの操作パネルや表示レイアウト
特許は“中身”を守るものですが、意匠は“見た目”を守るもの。
真似されやすい「デザイン」をしっかり守っておくことは、
ブランディングにもつながります。
意匠を取ると何がいいの?
・パクられたときに「これはうちのデザイン」と主張できる
・差別化しづらい業界(食品・化粧品・雑貨など)で強力な武器になる
・「真似されやすいデザインほど、意匠登録で守る価値が高い」です
●まとめ:知財は“攻め”と“守り”の両方の武器になる
知財というと「守る」イメージが強いですが、
実は事業の“差別化”や“価値の見える化”にもつながります。
・商標 → あなたのブランドを「独占」できる
・特許 → 仕組みやアイデアを「参入障壁」にできる
・意匠 → デザインで「差をつける」ことができる
特に1人起業家やスタートアップ初期の段階では、
「早めの対策」が将来のトラブルを防ぎ、価値を守ります。
「うちはまだ小さいから…」ではなく、
「今だからこそ」知財のこと、見直してみませんか?
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