【ロゴ刷新】デザイナーに依頼する前にやるべき商標チェック
2025.10.16
こんにちは、弁理士の植田です。
「そろそろブランドを一新したい」
「事業が軌道に乗ってきたので、ロゴを作り直したい」
そんなときに気をつけたいのが、“商標のチェック”です。
実は、ロゴを刷新したあとに
「このデザイン、商標登録できない!」
となるケースは意外と多く、
せっかく時間とお金をかけたのに、使えなくなるリスクも…。
今回は、デザイナーに依頼する前にやっておくべき
「商標の視点から見たチェックポイント」をお伝えします。
■なぜロゴ刷新の前に商標を考えるべき?
ロゴは、会社やサービスの「顔」です。
ところが、この“顔”が他人の権利を侵害していたり、
将来的に登録できない要素を含んでいた場合、
そのままでは「使えない」か、「守れない」ことになります。
商標とは、名称やロゴなどを独占的に使えるようにする権利。
つまり、ロゴを商標登録できる設計にしておくことが、
リブランディングの成功には不可欠なのです。
■よくある“登録できない”ロゴのパターン
たとえば、以下のような要素が入っていると、
商標登録が難しくなる傾向にあります。
・他社の登録商標に酷似している
→ 無意識でも「似ている」と判断されるとアウト
・意味のない記号や記述的な単語だけ
→ 例えば「最高品質ラーメン」など、誰でも使う表現
・地名や人名、業種をそのまま使用
→ 「大阪建設株式会社」など、独自性に欠ける
・既存のフォントをそのまま加工しているだけ
→ 特に有名フォントはライセンス的にも問題が出やすい
見た目がかっこよくても、登録できなければ“資産”にならないばかりか、
他社に取られてトラブルになる可能性もあります。
■デザイナーに依頼する前にやるべきこと3つ
1. 商標調査をする
J-PlatPat(無料ツール)などを使って、類似のロゴや
名前が登録されていないかチェックしておきましょう。
プロに依頼すれば、より精度の高い調査が可能です。
2. ロゴに使う言葉や形の“意味”を整理する
ロゴに込めたいメッセージやモチーフが
「誰かの登録商標に含まれていないか」を確認。
言葉だけでなく、ビジュアル要素(山・星・輪・葉っぱ など)にも注意を。
3. 「登録できるロゴ」の設計を前提に依頼する
デザイナーには「商標登録を前提としたロゴ制作を希望している」
と明確に伝えましょう。
商標の視点を持つデザイナーであれば、
はじめからそれを考慮して制作してくれます。
■登録までのステップも知っておこう
ロゴを作ったあと、「これは商標登録できますか?」と相談する方も多いですが、
できれば作る前に確認した方が、修正の手間もコストも減ります。
実際に商標登録するには、以下のような流れがあります。
1.商標調査
2.出願準備(ロゴの図形、対象商品・サービスの選定)
3.出願
4.審査(約6〜9ヶ月)
5.登録料納付・登録完了
ロゴ刷新のタイミングでスケジュールを組むなら、
「デザイン完成」と「出願時期」が無理なく重なるように調整しておくとスムーズです。
●まとめ|ロゴは見た目だけでなく「守れるかどうか」が大事
せっかく刷新するロゴだからこそ、長く使いたい。
そして、将来的にはブランドの「資産」として守っていきたい。
そのためには、“商標の視点”を最初から持っておくことが重要です。
見た目に加えて、「誰にも取られない・真似されない」
ロゴであることが、これからの時代のブランド戦略に必要な発想です。
📩 ロゴ刷新前の商標相談、受け付けています
ミライエ国際特許事務所では、デザイナーとのやりとりの前に
“商標の視点からのアドバイス”を提供しています。
ブランドを守りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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