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【IPO準備中の企業へ】知財で“企業価値を底上げ”する具体策とは?

2025.10.18

こんにちは、弁理士の植田です。

IPO(株式上場)を目指す企業にとって、
事業計画・財務体制・人材確保など多くの整備事項があります。

その中で、意外と見落とされがちなのが知的財産
(特許・商標・意匠など)の整備です。

実は、知財の有無が企業価値の評価を左右することも少なくありません。

この記事では、IPOを見据える企業が今すぐできる「知財による価値向上策」を、
実務の視点から具体的にお伝えします。


■なぜIPOで知財が問われるのか?

IPO審査では、以下のような視点で知財がチェックされています。

競争優位性が持続可能か?
自社のサービス・技術を他社が真似できない仕組みがあるか?
知財侵害リスクがないか?
M&Aや提携先にとって“移転可能な価値”があるか?

知財は、単なる“権利の取得”ではなく、企業の成長力・安全性・将来性
数値に見えないかたちで裏付ける重要資産とされています。

特に、SaaSやAIなど無形サービス中心の企業ほど「知財戦略」が評価に直結する傾向があります。


■IPO準備でよくある知財の3つの落とし穴

1. 特許が「出願だけ」で止まっている

よくあるのが、IPOに向けてとりあえず特許出願はしたけど、審査請求をしていないケース。
出願しても、審査請求しなければ特許にはなりません
投資家から見れば、出願止まりでは「実質的な保護がない」と見なされることも。


2. サービス名やロゴが商標登録されていない

「登録出願中」でも一定の評価はされますが、
登録完了済みである方が明らかに安心感が高いです。

また、複数区分で取得していなかったために
「他社に類似商標を取られた」という事例も。

3. 共同開発の契約に“知財の帰属”が未記載

スタートアップでは、開発を外注したり、業務委託でエンジニアに手伝ってもらったりするケースも多いですが、
知財の帰属を明記しない契約書のままだと、出資やIPO審査時に指摘されます。




IPO準備中にやるべき知財アクション3選

1. 事業と連動した知財の“棚卸し”を行う

まずは、自社が持つすべての知財資産(特許・商標・意匠・著作権・ノウハウ)
洗い出すところからスタートしましょう。

とくに「社員のアイデア」「過去の資料」「パートナーとの共創」
などに埋もれている知財を掘り起こすことが大切です。


2. 技術的差別化を“特許”で裏付ける

開発した技術が他社とどう違うのか、それを明確に表現できる手段が特許出願・登録です。
もちろん、特許にならない場合は営業秘密やノウハウ
として契約で守ることも戦略の一つです。


3. ブランド・ロゴは“商標”でブロックする

IPO後は認知が一気に広がり、模倣やドメイン乗っ取りなどの被害も増加します。

そのため、主要サービス名・ロゴ・スローガンなどは
あらかじめ商標で守っておくのが基本です。

自社名、サービス名、アプリ名…など、「これがなくなったら困る名前」
はすべて登録対象と考えましょう。


■投資家が注目する“知財の見せ方”

IPO審査では、ただ「特許があります」と伝えるだけでなく、
それが事業とどう結びついているかを明示することが求められます。

以下のような伝え方を意識してみましょう。

・「競合他社では模倣できない○○の仕組みを、○件の特許でカバーしています」
・「ロゴ・ブランド名は○区分で商標登録済み。模倣防止と信頼構築に活用」
・「提携企業との共同開発では知財の帰属契約を締結済み。将来的なライセンス展開も視野に入れています」

数字だけでなく、ストーリーで語る知財戦略が、
投資家や審査担当者の信頼を引き寄せます。


●まとめ:知財で“無形資産”を見える化する

IPOの準備は、資本政策や法務体制の整備など多くの作業
がありますが、知財の整備は「企業の信頼性」を
直接的に支える土台になります。

逆に、ここをおろそかにしてしまうと、

・サービス名が使えなくなる
・競合に技術を真似される
・出資先・上場審査で減点評価される

といった、後戻りできないトラブルにもつながりかねません。

だからこそ、「まだ早い」ではなく、「今だからこそ」
知財を整えておくことが、企業の未来を守る戦略です。


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ミライエ国際特許事務所では、IPO準備・出資対応・事業計画への知財反映など、
スタートアップ〜中堅企業向けに知財の支援を行っています。

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