【たった一文】契約書に入れるだけで技術を守れる魔法の条項
2025.10.19
こんにちは、弁理士の植田です。
「うちの技術、勝手に使われた…」
「下請けに出したら、そっくりの製品が市場に…」
中小企業や個人事業主の方から、こんな声をよく聞きます。
せっかく時間とお金をかけて開発した技術やノウハウが、
契約書の“たった一文”を入れていなかったがために守れなかった――
そんな残念な事態は、実は意外と多いのです。
今日は、誰でも使える「技術を守る魔法の一文」をご紹介します。
特別な法律知識は不要。
契約書にこの一文を入れるだけで、
大切なアイデアやノウハウの流出を防ぐことができます。
■なぜ「契約書の一文」で技術が守れるのか?
ビジネスの現場では、すべてを特許や商標で守るのは現実的ではありません。
とくに、日々の業務や現場で培われたノウハウ、設計方法、
手順、価格の決め方など、「形式がない知識=営業秘密」は、
特許にしづらいのが実情です。
このような技術情報を守る手段として、
“契約”による保護が有効です。
技術を漏洩されたときに「うちの技術だ!」と主張するには、
・相手がどの情報を使ってはいけないか
・その情報はどんな扱いを受けるべきか
を、契約書で明記しておくことが必要なのです。
■魔法の一文、それはこれ!
「本業務で知り得た相手方の技術情報およびノウハウは、
秘密情報として取り扱い、契約終了後も第三者への
開示・使用をしてはならない。」
たったこれだけです。
もちろん、詳細な秘密保持契約(NDA)を別に結ぶのが理想ですが、
最低限この一文を業務委託契約や共同開発契約、
取引基本契約などに入れておくだけで、法的な保護の下地が整います。
■どんなときに入れておくべき?
・外注先にシステムや製品の一部を作らせるとき
・業務委託でエンジニアやデザイナーに発注するとき
・営業先に試作品を見せるとき
・共同開発・共同研究を始めるとき
・販路開拓や商談の打ち合わせのとき
つまり、誰かと何かを“共有”する場面では、必ず必要です。
■なぜ「契約終了後も有効」と書くのか?
意外と見落とされがちなのが、契約終了後の情報管理です。
契約期間中は守られていても、終了と同時に
フリーになってしまう条項では、意味がありません。
だからこそ、「契約終了後も第三者への開示・使用をしてはならない」と記載しておくことで、永続的な保護につながります(実務上は5年〜10年程度を区切るケースもあります)。
■条項を入れても、守られないケースとは?
もちろん、ただ書いてあるだけでは不十分なこともあります。
たとえば、
・情報を秘密と分かる形で渡していない
・誰が何を秘密と認識しているか曖昧
・紙やデータに「秘密情報」と明記していない
こうしたケースでは、裁判などで「守るべき情報ではなかった」と判断されることも。
ですので、契約+情報管理のルールをセットで行うことが大切です。
■まとめ:契約書の“一文”でトラブルを防ごう
技術やノウハウは、あなたのビジネスにとって大切な資産。
特許や意匠で守るのが難しいものこそ、契約による保護が必須です。
今日ご紹介した一文は、その第一歩。
今ある契約書を見直して、この条項が入っているかチェックしてみてください。
「まだ契約書すら作ってない…」という方も大丈夫。
簡単な秘密保持契約や、ひな形の提供もできますので、
まずは一歩踏み出してみましょう。
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