【SaaS企業のための】ビジネスモデル特許ガイド
2025.10.21
― 費用・実例・戦略を3分で解説 ―
こんにちは、弁理士の植田です。
SaaS(Software as a Service)を展開する企業にとって、
競合との差別化と技術・仕組みの保護は、生き残るための生命線。
そしてその鍵を握るのが、ビジネスモデル特許です。
でもよく聞かれるのがこの疑問。
・「そもそもビジネスモデルって特許になるの?」
・「出願費用はいくら?」
・「スタートアップでも取れる?」
・「どう戦略に組み込めばいい?」
この記事では、そんな悩みを持つSaaS企業向けに、ビジネスモデル特許の
基本・費用・実例・戦略の立て方までをわかりやすく解説します。
■そもそもビジネスモデル特許とは?
簡単に言えば、「ビジネスの仕組みを、IT技術と結びつけて権利化したもの」です。
たとえば以下のようなものが対象になり得ます。
・ユーザーの行動をトリガーに自動課金される仕組み
・SaaS内のアルゴリズムで業務効率を最適化するロジック
・データ連携・マッチングを通じた新しい業務フロー
・ユーザーの利用状況に応じてUIが変わる動的処理
単なる「アイデア」だけでは通りません。
ポイントは、IT技術と組み合わさって動く“仕組み”であること。
SaaS企業の開発した“独自の動き方”があれば、
それは特許の対象になり得ます。
■特許取得の費用感(ざっくり目安)
気になるのは、出願にかかるコスト。以下は一般的な目安です(国内の場合)。
- 出願準備(明細書作成など):40万〜60万円前後
- 特許庁への出願料・審査請求料・登録料:15万〜20万円程度
- 合計:60〜80万円前後
もちろん、仕組みの複雑さや出願戦略によって上下します。
また、海外でも権利を取りたい場合はさらに別途費用が発生します。
※「高い…」と感じるかもしれませんが、他社がマネできない仕組みを
ロックできると考えれば、投資効果は大きいです。
■“SaaS発”の特許例(簡略版)
1勤怠SaaS企業の自動アラート機能 → 従業員のログイン時間から働きすぎを検知して管理者に自動通知。
2.人材マッチングSaaSの推薦アルゴリズム
→ スキル・職歴に基づき候補者を動的にピックアップ。
3.サブスクSaaSのプラン切替管理機能
→ ユーザーアクションに応じた自動プラン変更ロジック。
いずれも、単なる画面UIではなく、裏側で動く仕組みの設計がカギです。
■特許をどうSaaS戦略に活かすか?
SaaSにおいては、「売れたら真似される」構造になりがち。
だからこそ、ビジネスモデル特許は“競争優位性”を保つ武器になります。
活用ポイント
・営業トークの信頼材料に:「当社はこの仕組みで特許を取得しています」
・投資家への安心感に:競合との違いを明確に
・M&A時のバリュエーションアップに:「仕組み=資産」が見える
・価格競争からの脱出:唯一無二の“動き”を保護することで模倣防止
■SaaSで特許を取る際の注意点
1.リリース前に検討を!
公開後は「新規性」が失われてしまうので注意。先に出願を。
2.外注エンジニアとの契約も見直しを
誰が発明者か?帰属はどこか?が後で問題になることも。
3.特許にならなくてもノウハウとして保護を
すべてが特許になるわけではないので、営業秘密としての管理も大切です。
■まとめ:SaaS × 特許で、“仕組みごと”差別化しよう
SaaSビジネスでは、機能の真似は時間の問題。
でも、「仕組み」まで真似するにはハードルがあります。
だからこそ、特許で守れる“仕組み”を作り、
早めに手を打つことが成長戦略に直結します。
■ 最後にひとこと
「うちのこの機能、特許になるか分からない…」
「アイデアはあるけど、出すタイミングが分からない…」
そんなお悩みがあれば、知財の専門家に気軽に相談してみてください。
ミライエ国際特許事務所では、SaaS企業の知財戦略に強いサポートをご提供しています。
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SaaS企業こそ、“知財×仕組み”の視点で、一歩先を行く戦略を。
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