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【失敗例に学ぶ】中国で商標を“先に取られてた”ときの対処法

2025.11.04

──「まさかうちのブランドが…」とならないために


こんにちは、弁理士の植田です。

中国でビジネスを展開しようとしたとき、
「商標、もう誰かに取られてますよ」
と言われた企業は、実は少なくありません。

特に、日本企業の名前・ブランド・ロゴは、
中国市場での“先取り商標”のターゲットになりやすいのが現実です。

今回は、実際に中国で商標を先に取られてしまった事例と、
そこからの対応策をまとめてお伝えします。


■事例:展示会で出展 → 数ヶ月後、商標が他人名義に

ある日本の中小メーカーが、
中国・上海の展示会に初出展。

好評を博し、現地の取引先も見つかり
「さあ、これから進出だ」と意気込んでいました。

しかし、その半年後。

中国で商標出願しようとしたところ、
すでに現地企業が「同じ商品名」で商標を出願・登録済みと判明。

しかも、その企業は展示会に来ていた来場者リストに載っていた…というショックな事実も。


■なぜこんなことが起こるのか?

中国は「先願主義」=早い者勝ちの国です。

そして、残念ながら一部の業者や“商標ブローカー”が、
外国企業のブランド名・商品名を無断で出願し、
登録後に「買い取り交渉」を持ちかけるというケースが後を絶ちません。

日本では“使っている実績”が重要視されますが、
中国では「誰が早く出願したか」がほぼすべて。

つまり、「ビジネスを始める前に、名前を先に守っておかないと危険」なのです。


■商標が先に取られていたときの3つの対処法

①「無効審判」を請求する(悪意の出願である場合)

中国の商標法では、明らかに悪意をもって出願された商標は無効にできるという規定があります。

・自社のブランドで長年使用実績がある
・先に日本で登録されていた
・展示会や商談などで相手に情報を見せた証拠がある

などを示して、「これは悪意ある先取りです」と主張する方法です。

ただし、時間とコストはかかるため、“勝ち目がある”と判断されるケースで使われます。


②「買い取り交渉」をする(現実的だが注意点あり)

相手がブローカーや、あくまで転売目的で出願していた場合、
金銭での買い取り交渉が可能なこともあります。

ただし、

・相場より高額をふっかけられる
・交渉の過程で相手が態度を急変させる
・支払い後に名義変更されないリスク

などもあるため、専門家を通して慎重に進める必要があります。


③「別ブランド」で展開する

場合によっては、

・すでに相手がその商標で商品展開している
・無効化にも買い取りにも応じない
というケースもあります。

その場合は、現地では新たなブランド名で展開するという判断が求められます。

非常に悔しい選択ですが、
時間や資源の浪費を防ぐために現実的な判断を下すことも、経営戦略の一部です。


■事前にやるべき対策:リスク回避のための3ステップ

● 中国進出を考えたら、まず商標を確認!

いざビジネスが進んでから「出せません」とならないよう、
進出を検討した時点で、商標調査を実施することが重要です。

● 展示会や営業資料には「商標マーク(™)」や注意書きを

簡易的でもいいので、資料やブースに
「無断使用禁止」「商標出願済」などの明示をしておくと、
牽制になります。

● 日本と中国、セットで出願を

たとえ中国に拠点がなくても、
「中国で製造」「中国で展示」「中国に売る可能性」があるなら、
日本で出願したタイミングで中国にも出願しておくのがベストです。


■まとめ|「取られてから」より「出してから」動く

商標の世界では、
「知らなかった」より「出してなかった」が命取りになります。

とくに中国はスピード勝負。
海外展開やOEM製造など、中国と関わりがある方は、
“自社の大事な名前・ロゴ・ブランド”を先に守るという意識が必要です。


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