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【海外進出時の落とし穴】“日本だけ商標取って満足”が危ない理由

2025.11.05

こんにちは、弁理士の植田です。

「日本で商標登録したから安心」は、海外では通用しない?

海外展開を考えている企業からよく聞くのがこの言葉です。

「うちはもう日本で商標取ってるから大丈夫です」

たしかに、日本国内でのビジネスに限れば、
その商標登録でブランドは守られます。

ですが、海外進出を見据えた場合、
日本での商標登録だけでは足りません。

むしろ、その安心が「落とし穴」になる可能性があります。


■なぜ危ない?──国ごとの商標制度は“別モノ”だから

商標は「各国ごとに独立した制度」になっています。

つまり、日本で商標登録していても、

・海外では登録されていない
・海外では他人が先に登録してしまっている
・あなたの商標が使えない・売れない・輸出できない

というケースが普通に起こります。


■実際に起きた“悲劇的な例”

中国の販売代理店が勝手に商標出願
→ 日本本社はそのブランド名で輸出できなくなり、
裁判で取り戻すまでに何百万円も費用がかかった。

ベトナム進出を考えていた企業が出遅れた
→ 展示会で自社商品を紹介したところ、数ヶ月後に現地企業が似た名前で商標を取得。

現地ECに商品を出品できない
→ 「登録されたブランドでなければ出品不可」というAmazonルールにより販売停止。


■商標は「先に出したもん勝ち」=先願主義

多くの国では、日本と同様に「先願主義」が採用されています。

つまり、

商標は早く出願した人が権利を得る

という制度。

善意か悪意かは関係なく、先に出した方が勝ちということです。

「海外でもう使ってるから」と言い訳しても、通じない場合がほとんどです。


■対策:海外展開前にやっておくべきこと

1.展開予定国で商標調査
 → すでに誰かが登録していないかチェック

2.優先度の高い国から出願
 → すべての国に一度に出すのは難しいため、優先順位をつけて

3.マドプロ(国際商標制度)の活用
 → 複数国にまとめて出願できる便利な制度


    ■まとめ:商標は「守って初めて意味がある」

    ブランドにどれだけ想いを込めても、使えなければ意味がありません。
    海外展開では、「出す前に守る」が鉄則。

    日本で商標登録しただけで安心せず、
    “販売したい国で、ちゃんと商標を取っているか?”
    いま一度、確認してみてください。


    ご希望があれば、業種別・国別の商標リスク一覧や、
    マドプロを使った出願手順の記事もお作りできます。ご相談ください。

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