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【契約で守る】業務委託・デザイン発注時の“知財トラブル”回避法

2025.11.08

こんにちは、弁理士の植田です。

ロゴやデザイン、ホームページ制作やシステム開発など、外部に業務を委託する場面は多いもの。

しかし、その裏側には意外と知られていない「知財の落とし穴」が潜んでいます。

「発注したからウチのもの」――と思い込んでいたら、
実は権利は制作側にあって自由に使えなかった、というトラブルも。

今回は、中小企業・個人事業主・スタートアップに多い「業務委託×知財」の注意点と、
契約で回避するためのポイントをわかりやすく解説します。


■よくある知財トラブルの例

「発注したロゴの権利が、制作会社にあると言われた」

制作費を支払って納品されたロゴ。なのに、商標登録しようとしたら「権利は当社にある」と断られるケース。

「開発したシステムのソースコードを自由に使えない」

再利用や機能追加をしたいのに、「それには別料金です」と言われてしまう。
「WEBサイトに使った写真の著作権で揉めた」

外部デザイナーが勝手にフリー素材を使用しており、
後から著作権侵害を指摘されることも。

こうした事態は、最初の契約で“権利の所在”を
明確にしていなかったことが原因です。


■なぜトラブルになるのか? 知財は“自動的には移らない”

ここが落とし穴です。

・業務を依頼した
・お金を払った
・納品された

――この3点が揃っていても、知的財産権(著作権・商標権・特許・意匠など)は、
法律上、制作者側に残っているのが原則です。

つまり、「うちのロゴなんだから、うちの権利でしょ?」は通じません。
契約でしっかり取り決めないと、使用権しか持てないこともあるのです。


■契約で入れるべき“魔法のひと言”

知財トラブルを防ぐには、契約書に明確な文言を入れることが鉄則です。

最低限、以下のような一文を入れましょう!

「本件業務により創作された成果物の著作権等一切の知的財産権は、委託者に帰属するものとする。」

これがあるだけで、納品されたものの権利が発注側=あなたの会社にあることが明確になります。

加えて、以下の内容も盛り込んでおくとより安心です。

・第三者の権利を侵害していないことの保証
・商標登録や改変・再利用の権利についての記載
・万が一、第三者とトラブルになった場合の責任の所在


■「テンプレートで十分」は要注意

ネット上の無料テンプレートや、過去に使った契約書の使い回しで済ませがちですが、
知財まわりは案件ごとに権利の構造が違うため、内容を見直す必要があります。

特に注意したいのは以下のような場合、

・ロゴやネーミングを商標登録する予定がある
・複数のデザイナーやエンジニアが関与している
・再利用・転用を前提とした開発や制作をしている

こうしたケースでは、後から困らないよう契約段階で想定しておくことが重要です。


■最後に:デザインや仕組みも“会社の資産”です

あなたのブランドの「顔」となるロゴや、ビジネスを支えるシステムやデザイン。
これらは、単なる“作業成果”ではなく、ビジネスの資産=知的財産です。

だからこそ、最初の一歩――契約でしっかり権利を確保しておくことが、
後のトラブル回避と、ビジネスの成長を支える力になります。


契約書の見直しや、発注前のひな型整備など、知財の視点でチェックしたい方は、
お気軽にご相談ください。
小さな事業でも守れるポイントは、しっかりあります。

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