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【スタートアップ向け】投資家に信頼される“知財戦略”の作り方

2025.11.10

こんにちは、弁理士の植田です。

スタートアップにとって「資金調達」は成長の生命線。
ですが、アイデアや熱意だけでは投資家は首を縦に振ってくれません。
今、“知財戦略”が投資家からの評価を左右する大きなカギになってきています。

「知財?まだ特許とか出してないけど…」
「ウチみたいなシード期の会社に必要なの?」

そんな疑問を持つ方に向けて、投資家が求める知財の視点と、
スタートアップが今からできる知財戦略の立て方を解説します。


■なぜ投資家は“知財”を重視するのか?

シンプルに言えば、将来の競争優位と事業の再現性を知りたいからです。
知財の有無は、以下のような観点で見られます。

・事業モデルに「真似できない要素」があるか?
・コア技術が他社に模倣されない仕組みがあるか?
・ブランドがきちんと保護されているか?
・将来的にライセンスやM&Aの材料になるか?

つまり知財とは、「この会社には守るべき価値がある」ことを証明するもの。
将来性だけでなく、堅実性や戦略性の裏付けとして見られているのです。


■投資家が“好感を持つ”知財のポイント

1. コア技術・ノウハウに特許や秘密管理がある

自社の強みとなる仕組みや技術を、特許で保護している(または出願準備中)こと。
仮に特許を出願していなくても、技術資料の秘密管理ができているだけでも信頼されます。

2. ブランド名やサービス名を商標で押さえている

「名前の管理」はブランディングの基本。
逆に、商標の調査もせずにサービス名を決めていたら、リスク管理が甘いと見なされることも。

3. きちんとした“知財棚卸し”ができている

現時点での知財資産が整理され、
「どこを守っているか」「どこを今後出願するか」が明確な状態は、事業の見通しの良さに直結します。


■知財に関する“よくある誤解”3選

「ウチは技術系じゃないから関係ない」

→ いいえ、非技術系スタートアップでも商標や意匠は重要です。
ブランド名・UI・ビジネスモデル…すべて“守れる対象”です。


■「資金に余裕ができてから考えればいい」

→ 出願は先願主義です。あとから出しても間に合わないことがほとんど。
特に商標は「名前を広めた後に取れない」リスクが高いため、早期出願が基本です。


■「顧問弁護士がいるから安心」

→ 弁護士=知財の専門家とは限りません。
特許や商標は弁理士の専門領域。きちんと分野のプロに相談するのが安全です。


■今からできる“3つの知財アクション”

1.商標調査と出願を検討する
すでに使っているサービス名・プロダクト名は、すぐに調査を。
同時に、今後の展開を見据えた名称戦略も考えておきましょう。

2.技術・ノウハウの管理体制を整える
特許にできそうな要素は棚卸しを。
できない場合でも、「秘密情報管理規定」や「社内マニュアル化」は最低限必要です。

3.ピッチ資料に“知財のページ”を入れる
実はこれ、意外と抜けている企業が多いです。
出願中でもOKなので、「何を守っているか」「知財で何を差別化するか」を明示しましょう。


    ■最後に|知財は“会社の無形資産”

    知財は、単なるお金やモノではありません。
    再現性・優位性・持続性を支える、見えない資産です。

    そして、スタートアップが評価されるのは、まさにその「資産価値」。
    事業が大きくなる前に、しっかりと“守り”を固めておくことが、
    結果的に“攻め”の投資家対応にもつながります。


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