【支援現場で増加中】『商標を取ってなかった問題』の解決事例3選
2025.11.29
こんにちは、弁理士の植田です。
今日は、商標を取っていなかったことで起きたトラブルの代表的な事例を3つご紹介します。
「うちはまだ小さいし、出願は後でいいかな…」
「使ってる名前、たぶん大丈夫でしょ」
そう思っていた企業や個人が、あとになって“痛い目”を見た話は、知財の世界では珍しくありません。
この記事では、中小企業や個人事業主にとって他人事ではない、よくあるパターンを取り上げて解説します。
■事例①：人気が出たブランド名を他社に先取りされた
あるスモールビジネスが、BASEでオリジナル雑貨を販売。
SNSで人気が広まり、商品名・ブランド名も多くの人に知られるようになりました。
ところがその直後、「その名称はすでに当社が出願済みです」という通知が届きます。
調べてみると、なんと第三者が商標を出願していたのです。
おそらくネットで見て「使えそう」と判断し、便乗で出したと考えられます。
結果として、販売元は商品名を変更し、ロゴや販促物も作り直すことに。
●教訓
「有名になってから出す」は手遅れになることもある。
早めの商標出願で、自分の名前を先に押さえておくのが安心です。
■事例②：オリジナルロゴが無断使用され、信頼低下に
ある飲食店がオープン時に作ったロゴ。知人のデザイナーに依頼して、印象的なデザインに仕上げました。
そのロゴはチラシや看板、SNSなどで一貫して使用されていました。
しかしあるとき、似たようなロゴを使っている別店舗が現れます。
「どっちが本家？」とお客様も混乱。問い合わせも増えてきました。
ロゴの商標登録をしていなかったため、強く主張できず、結果的に再ブランディングを余儀なくされたというケースです。
●教訓
ロゴやシンボルマークも商標で守れる。
「使っているだけ」では、模倣に対して無力なこともあります。
■事例③：展示会で注目された商品名が他社のものに
あるメーカーが新商品のプロトタイプを展示会で発表。
ユニークなネーミングと機能性で注目を集め、多くの商談につながりました。
ところが後日、その商品名で商標出願をしようとしたところ、すでに別の会社が同じ名前で出願済み。
展示会での情報公開を見て出願された可能性が高く、
結局、商品名を変更しての再スタートを余儀なくされたという話です。
●教訓
展示会・発表会での“公開”前に商標の出願を。
一度外に出した情報は、“誰でも見られる”という意識を持ちましょう。
■まとめ：「出してなかった」がビジネスを止める前に
・商標は「早い者勝ち」。使っているだけでは守れない
・人気が出たときこそ、他人に狙われやすい
・商品名、ブランド名、ロゴなどはすべて“財産”と捉えるべき
■「今からでも間に合う？」と思ったらご相談を
・既に販売している商品名がある
・ロゴやサービス名に独自性がある
・商標のことを後回しにしてきた
そんな方は、今からでもチェック・出願の準備を進めておくことが大切です。
当事務所では、中小企業・個人事業主の方向けに、
実務に即した商標サポート・ネーミング戦略のアドバイスを行っています。
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