【実録】技術資料が特許より評価された事例に学ぶ“見せ方”戦略
2026.01.13
こんにちは、弁理士の植田です。
「特許があるかどうか」──
これは技術の価値を語る上でよく使われる指標のひとつですが、
実はそれ以上に、“どう見せるか”が評価を大きく左右することがあります。
今回は、実際にあった「特許ではなく、技術資料が高く評価された事例」をご紹介しながら、
知財の“使い方”の視点から、戦略的な見せ方について考えてみます。
◆特許は出願中だったが、注目されたのは技術資料
あるスタートアップ企業が、大手企業と資本業務提携を結ぶ際の話です。
当初、特許出願済みの技術を軸にアピールしていましたが、
実際に商談が前向きに進み始めたのは、技術チームが丁寧に作り込んでいた「内部資料」を提示した後でした。
この資料には、以下のような内容が含まれていました:
・開発に至る技術的背景
・過去の試行錯誤(失敗例も含む)
・再現実験のデータ
・想定される応用分野と技術的な可能性
つまり、「特許明細書には書かれていない、実務レベルでのリアリティと熱量」が詰まっていたのです。
◆評価されたのは“信頼できる技術基盤”
相手企業が評価したのは、単に権利化の有無ではなく、
「この技術は、再現性があり、拡張性もある」と判断できる技術基盤の信頼性でした。
特許はもちろん重要ですが、それだけでは読み取れない部分──
開発者の思考プロセスや、地道な検証の積み重ね──
それが資料を通じて見えることで、「この会社は本当に技術を持っている」と感じてもらえたのです。
◆“資料”は知財の一部
このように、技術資料そのものが知財的な価値を持つことがあります。
形式的に特許出願するだけでなく、
・どんな資料を、
・誰に、
・どう見せるか
──この“見せ方”戦略があるかどうかで、企業の印象や評価は大きく変わります。
とくに、資本提携や業務提携、出資を受ける際には、
「特許の数」よりも「実行可能な知の厚み」が問われる場面が少なくありません。
◆見せ方のコツ:3つの視点
では、技術資料を戦略的に活用するにはどうすればよいか。
以下の3点を意識することをおすすめします。
1.開発プロセスの透明性:偶然でなく、論理的な積み重ねで技術が構築されていると伝える
2.失敗も価値:失敗の履歴があるからこそ、他社が踏み込めない領域だと理解される
3.未来視点:どのように展開できるのか、応用や市場への接続点を明確にする
◆まとめ:特許に“見せ方”を添えると強くなる
もちろん、特許をしっかり取ることは大前提です。
ですが、それをどう伝えるか、どんな資料で補強するかで、
企業の「技術力」は何倍にも見えることがあります。
技術があるのに「うまく伝わらない」と感じているなら、
一度、“資料づくり”や“見せ方”を見直してみることをおすすめします。
知財とは、出すこと・守ることだけではなく、伝えることでもあるのです。
ご希望があれば、この記事に関連した「資料の構成テンプレート」などもご提案できますので、お気軽にどうぞ。
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