【それ、勝手に出して大丈夫?】共同開発の出願で揉めないために
2026.01.27
こんにちは、弁理士の植田です。
新しい技術やアイデアが生まれる場面で増えているのが「共同開発」。
企業同士、あるいは企業と大学・研究機関との連携など、外部との協力によって開発が進むケースが一般的になりつつあります。
しかし、その裏で実はよくあるのが――
「勝手に特許を出願して、後で揉めた」
というトラブルです。
本記事では、共同開発における出願トラブルを防ぐための基本的な考え方と、押さえておきたいポイントを解説します。
■「発明者=自社」でも油断禁物
「うちの社員が考えたことだから、うちの名前で出していいですよね?」
という質問もありますが、共同開発においては、その発明が誰の業務の中で生まれたかが大きなポイントになります。
たとえ発明者が自社社員であっても、相手企業や大学との契約の中で、権利の帰属が“共有”や“相手側”と決められている場合もあります。
■共同出願は「権利の共有」が基本ルール
共同開発の結果として生まれた発明は、原則として共同出願になります。
共同出願の場合、
・出願時に全員の同意が必要
・登録後の権利の行使にも制限がある(例:一方が単独でライセンスできない など)
など、運用にも影響が出ます。
つまり、「出願すれば終わり」ではなく、出した後の“使い方”まで視野に入れて整理する必要があるのです。
■よくあるトラブル事例
・「打ち合わせで出た話をもとに自社だけで出願」→相手が激怒
・「書面がなく、後から“ウチの発明だ”と主張されて揉める」
・「権利は共有したが、使い道について合意していなかった」
このようなトラブルは、技術力ではなくコミュニケーション不足と契約の曖昧さから生まれます。
■揉めないための3つの予防策
① 開発開始前に「契約書」で権利帰属を明確に
共同研究・共同開発契約の中に、知的財産の取り扱いについて必ず明記しましょう。
・発明の帰属(単独出願?共同出願?)
・出願の主体(誰の名義で出す?)
・登録後の利用方法(使用・ライセンスの範囲など)
を最初に取り決めておくことが、後の信頼関係を守るカギです。
② 出願前に「相手の合意」を取る
共同出願の場合は当然ながら、単独出願でも、契約や話し合いでの取り決めがあれば、相手の了承を得てから動くことが原則です。
「うちは関係ないと思ってました」は通用しません。
③ 記録を残す
発明の検討過程や、誰がどのように関与したか、打ち合わせメモやメールなど記録を残しておくことが大切です。
のちの証拠になりますし、自社の正当な権利を主張する際の支えになります。
■「早く出願したい」が焦りを生む
スピード感を求められる今、「出願を急ぎたい」という気持ちはわかります。
しかし、急いで出願してトラブルになれば、本末転倒です。
技術を守るために出した特許が、相手との関係を壊す原因になっては意味がありません。
■まとめ:共同開発=知財の段取りも共同で
・「勝手に出した」は絶対にNG
・権利の帰属・出願の主体は契約書で明確に
・出願・利用には相手との合意を
技術の前に、信頼関係が資産になる時代です。
共同開発を成功させるには、「発明をどう生かすか」までを見据えた知財の動き方が不可欠です。
「うちは大丈夫かな?」と少しでも思ったら、今のうちに確認しておきましょう。
後からでは遅いのが、共同出願の落とし穴です。
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