日本で商標登録していれば海外でも守られる?その勘違い
2026.02.21
こんにちは、弁理士の植田です。
今日は、海外展開を考えている経営者の方から本当によく聞く一言についてお話しします。
「日本で商標登録してますよ?」
はい、素晴らしいです。
でも……それだけでは、海外では守られません。
今日は、
「日本で商標登録していれば海外でも守られる?」という勘違い
について、分かりやすく解説します。
■日本の商標権は、日本だけ
まず大前提です。
商標権は“国ごと”に発生します。
日本で登録しても、
その効力は日本国内だけ。
中国、ベトナム、タイ、アメリカ、ヨーロッパ…
それぞれ別の権利です。
つまり、
日本で登録済み
=
海外では未登録
という状態。
ここを誤解している経営者の方は、正直かなり多いです。
■よくある海外トラブル
例えばこんなケース。
・中国で製造を始めた
・東南アジアで販売開始
・展示会に出展
その後、現地で商標出願しようとしたら…
「すでに他人が登録済みです」
しかも、
・現地代理店
・OEM先
・まったく関係ない個人
というパターンもあります。
そしてこう言われる。
「使いたいなら買い取ってください」
日本で登録していても、
海外では何の武器にもなりません。
あどうするの?―マドプロという選択肢
ここで出てくるのが「マドプロ」です。
正式には「マドリッド協定議定書」という国際出願制度。
日本の出願・登録を基礎にして、
複数国へまとめて出願できる仕組みです。
メリットは、
・手続きが比較的シンプル
・コストを抑えやすい
・管理が一元化できる
ただし、万能ではありません。
各国の審査基準はそれぞれ違います。
中国で通らない。
ベトナムで拒絶される。
タイで補正が必要。
普通にあります。
「まとめて出せる=どこでも同じ基準で通る」
ではありません。
■各国出願の違いを甘く見ない
例えば、
中国は“先願主義”が徹底。
早い者勝ちの世界です。
東南アジアでは、
現地語表記の検討が必要になるケースもあります。
英語だけでいいと思っていたら、
現地語を第三者に押さえられる。
これもよくある話です。
国ごとに、
・審査の厳しさ
・費用
・登録までの期間
・権利行使の実務
が違います。
海外展開は、
ビジネスモデルと同じく、知財戦略もローカライズが必要なんです。
■海外展開前に絶対やるべきチェックリスト
海外進出を考えているなら、
最低限これだけは確認してください。
① 進出予定国を明確にしているか
② その国で商標が空いているか調査したか
③ 英語表記・現地語表記の両方を検討しているか
④ マドプロと個別出願、どちらが適切か検討したか
⑤ 将来の拡大国も視野に入れているか
この5つを事前に整理するだけで、
トラブルの大半は防げます。
逆に言えば、
ここをやらずに進出するのは、
鍵をかけずに店舗を開くようなものです。
■「まだ小さい会社だから」は関係ない
よく言われます。
「うちはまだ小さいので」
でも実際は、
小さい会社ほどブランドが命です。
商標を押さえられて、
・Amazonで販売停止
・現地法人がブランドを使えない
・M&Aで評価が下がる
こうなると、ダメージは致命的です。
商標はコストではなく、
成長のためのインフラです。
■まとめ
日本で商標登録している。
それは素晴らしい第一歩です。
でも、
海外では別の戦略が必要。
・マドプロの活用
・各国出願の違いの理解
・事前の調査と設計
ここまでやって初めて、
“グローバルで守れるブランド”になります。
もし、
「海外展開を考えているけど、何から手を付ければいいか分からない」
という方は、一度整理しましょう。
御社のビジネスモデルに合わせて、
どの国で
どのタイミングで
どの方法で出願するか
戦略的に設計することが大切です。
攻めるために、守る。
海外展開前の知財チェックについて、
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