「中国・ベトナム・タイでOEM生産するなら必ず押さえるべき知財契約」
2026.02.22
こんにちは、弁理士の植田です。
今日は、海外OEMを考えている経営者の方にとって、かなり重要なテーマです。
「中国・ベトナム・タイでOEM生産するなら必ず押さえるべき知財契約」
「製造は任せてるだけなんで、大丈夫ですよ」
…ほんまに大丈夫でしょうか?
海外OEMはコストメリットも大きいですが、
同時に知財リスクも一気に上がります。
今日は、絶対に押さえておくべきポイントを解説します。
■よくあるOEMトラブル
実際にあった相談例です。
・金型を勝手に使われて別ブランドで販売された
・デザインを少し変えただけの類似品が出回った
・自社ブランド商品を工場が横流し
・契約終了後も同じ商品を製造していた
これ、全部リアルな話です。
しかも、
「ちゃんと契約書はあります」
と言われるケースが多い。
問題は、
知財の視点で設計されていない契約なんです。
■押さえるべきポイント① 金型・設計データの帰属
OEMで一番多いトラブルがここです。
・金型は誰のものか?
・設計図データの著作権は?
・改良が加えられた場合の権利は?
これを明確にしていないと、
「うちが作った改良だから、うちの権利です」
と言われる可能性があります。
特に中国では、
金型を工場側が実質的に支配しているケースが多い。
契約書に
・所有権
・保管義務
・第三者使用禁止
を明記しておくことが重要です。
■押さえるべきポイント② 商標の扱い
OEM生産では、
自社ブランドを現地工場に使わせることになります。
ここでやるべきことは2つ。
まず、
現地で商標を登録していること。
日本で登録していても意味はありません。
そして、契約書に
・商標は自社の財産であること
・製造目的以外の使用禁止
・契約終了後の使用禁止
を明確に入れる。
これがないと、
工場がそのまま同じブランドで販売するリスクがあります。
■押さえるべきポイント③ ノウハウ・営業秘密の管理
OEMでは、
レシピ
設計思想
製造条件
原材料配合
など、目に見えない情報を渡します。
これが一番危ない。
NDA(秘密保持契約)だけで安心している会社が多いですが、
・秘密情報の定義が曖昧
・管理方法が書かれていない
・違反時のペナルティが弱い
と、実効性がありません。
営業秘密は、
「ちゃんと管理していた」と言えないと守れません。
■押さえるべきポイント④ 横流し対策
海外OEMでよくあるのが、
生産余剰分の横流し。
昼は正規品、夜は別ルート。
冗談みたいですが、実際あります。
対策としては、
・生産数量の管理条項
・監査権
・違約金条項
・競業避止義務
を入れておく。
“信頼しているから大丈夫”
ではなく、
信頼できるからこそ契約で明確にする。
これが海外取引の基本です。
■押さえるべきポイント⑤ 契約終了後の処理
意外と見落とされるのがここ。
契約が終わった後、
・金型はどうする?
・在庫は?
・設計データは削除される?
ここを決めていないと、
契約終了後も同じ商品が市場に出続けます。
終了時の手続きまで設計しておくこと。
ここまでやって、初めてリスクが抑えられます。
■国ごとの特徴も理解しておく
中国は特に知財トラブルが多い国ですが、
ベトナムやタイでも増えています。
どの国でも共通するのは、
「契約書がすべて」
ということ。
日本的な“阿吽の呼吸”は通じません。
■まとめ
中国・ベトナム・タイでOEM生産するなら、
最低限押さえるべきはこの5つ。
・金型・設計データの帰属
・商標の管理
・営業秘密の保護
・横流し対策
・契約終了後の処理
OEMはコストダウンの手段ですが、
知財設計を間違えると、
将来の競合を自分で育てることになります。
攻めるためには、守る。
海外OEMを検討している方、
すでに契約しているけど不安がある方は、
一度契約を見直してみてください。
知財の観点からチェックするだけで、
リスクは大きく減らせます。
海外で勝つための“守りの設計”、
一緒に整えていきましょう。
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