【これって特許になる?】“ビジネスモデル特許”の考え方と、よくある誤解
2025.06.05
「うちの仕組み、特許になるんですか?」という相談、実は多いんです
こんにちは、弁理士の植田です。
最近、スタートアップや中小企業の経営者から増えているのがこんな相談です。
「新しいサービスを考えたんですが、これって特許になりますか?」
いわゆる“ビジネスモデル特許”に関する相談です。
でも、実はここには「特許になりそうで、ならないケース」や、
「逆に、あまり意識されてないけど特許にできる工夫」など、見落とされがちなポイントがたくさんあります。
今日は、ビジネスモデル特許の基本と、誤解しやすい3つのポイントを紹介します。
ビジネスモデル特許とは?
まず前提として、「ビジネスモデル特許」という言葉は法律上の用語ではありません。
ただ、実務上はよく使われていて、
サービスや業務フローの中に、技術的な工夫や処理が含まれているもの
→ それが“発明”として認められれば、特許になる可能性があります。
というのがざっくりとした定義です。
つまり、「ビジネス×技術の組み合わせ」がポイントなんですね。
よくある誤解①:「思いつき」や「仕組みそのもの」だけではダメ
たとえば──
×「お客さんにポイントを毎日付ける仕組み」
×「売れたら○円還元するビジネスモデル」
これらは、“アイデアやルール”だけで構成されていて、技術的な要素がないため、基本的には特許対象外になります。
特許は「技術」に対する権利。
“どうやって動かすのか”という技術的説明が求められるんです。
よくある誤解②:「うちはITじゃないから関係ない」はもったいない!
実は、業種に関係なく特許になるケースって意外とあるんです。
たとえば──
・在庫管理の自動化+クラウド連携
・購買履歴からのレコメンドロジック
・ユーザーごとに変わる画面(UI/UX)
これらは、“裏側で技術的な処理”が行われていれば、立派な特許の対象になることもあります。
よくある誤解③:「とりあえず出せば通る」ではない
ビジネスモデル系の出願でよくある失敗が、「技術的な詳細が足りない」こと。
・AIって書いてあるけど、どう処理してるか書いてない
・自動化って言ってるけど、人手との違いが説明されてない
・技術的に“新しい点”が曖昧
このあたりは審査で厳しく見られます。
「何が新しくて、どうやって技術で解決してるか」が書けないと、
出願しても、通らないんです。
まとめ:「アイデアを技術に落とし込めるか」が勝負の分かれ目
ビジネスモデル特許は、
ただの「面白い仕組み」ではなく、**“それをどう技術的に動かしているか”**が問われる世界です。
もし自社のサービスに、
・自動化の仕組み
・データの処理フロー
・ユーザーごとの体験設計(UX)
などがあれば、それを「技術として落とし込む視点」で特許の可能性を探ってみてください。
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