【立ち上げ初期こそ大事】スタートアップの「知財スタートダッシュ術」
2025.06.09
「リリースしてから考えます」は、もう遅い?
こんにちは、弁理士の植田です。
スタートアップ支援をしていると、こんな声をよく聞きます:
「知財って売上出てから考えたらいいでしょ?」
「商標とか、当たってからでいいですよね?」
「特許ってお金かかるんでしょ?後回しです」
でもね、これ、ぜんぶ“あとで困るやつ”です。
むしろ、立ち上げ初期だからこそやっておくと差がつくのが、知財戦略。
今日は、「最初にやっておくべき3つの知財チェックポイント」を、スタートダッシュ術としてご紹介します!
STEP①:「この名前、ほんまに使える?」を今チェック!
いきなり本題ですが──
スタートアップのネーミングは、商標でトラブルになる率が高いです。
たとえば:
- ドメインもSNSも空いてるからと安心 → 実は商標は別会社が登録済み
- ベンチャーっぽいカタカナ名をつけた → 業界内で同じような名前が多発
しかも、あとから商標が取れなかったら:
- 名前を変えなきゃいけない
- 印刷物・Web・ロゴ…ぜんぶ作り直し
- 信頼感や検索性がガタ落ち
めちゃくちゃ痛いです。
今すぐできる対策:
- J-PlatPatや特許情報プラットフォームで簡易検索
- 「使う名前」+「業種」でググって近い商標がないか確認
- ロゴを作る前に、文字だけでも出願の検討を!
STEP②:「この仕組み、特許になる?」を出す前にチェック!
ピッチや展示会、Webローンチなどで、
“技術的な中身を先に出してしまった”ことで、特許出願が間に合わなかったケースも多いです。
スタートアップがありがちな技術系:
- SaaSのアルゴリズム
- アプリのデータ処理・連携フロー
- IoTと連動するUX設計
- AIの応答ロジックや推薦エンジン
実はこれ、ちゃんと整理すれば特許になる可能性が高いです。
判断の目安:
- 「この仕組み、他社がマネしたら困る」
- 「自社ならではの技術的ロジックがある」
→ この時点で、弁理士に1回だけでも相談する価値あり!
STEP③:「誰の権利か、ちゃんと契約してる?」を早めに確認!
立ち上げ初期あるあるですが──
開発・ロゴ・LP・アプリを外注や知り合いに頼んでいるケースでは、
知的財産の“権利が誰のものか”決まってないことが多いです。
これ、ヤバいです。
たとえば:
- デザイナーが作ったロゴ → 著作権がデザイナーのまま
- 外注エンジニアが書いたコード → 特許出願時に「発明者」が外注扱いになる
- 創業メンバーの一人が抜けた → 意匠や商標の“名義”がそのまま
いまのうちに確認:
- 外注契約に「成果物の知財は依頼者に帰属」と明記してる?
- 立ち上げメンバーと、出願や発明者の扱いについて合意してる?
- ロゴやデザインの“使用許諾”だけで済ませてない?
「今は大丈夫でも、成長したらモメる」
これはスタートアップ知財あるあるです。
まとめ:先にやったもん勝ち、それが知財。
- 名前を守る → 商標
- 仕組みを守る → 特許
- デザインを守る → 意匠
- 権利の持ち主を明確にする → 契約
これらは、あとからでは守れない、けど最初なら“さくっと対策できる”ものばかり。
「何から手をつければいい?」という方へ
「今のアイデア、特許になる?」
「名前、商標的に大丈夫?」
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