【国際商標の落とし穴】出した国では取れてたのに…という失敗例
2025.07.08
こんにちは、弁理士の植田です。
今回は、海外展開を視野に入れている企業さんに、「国際商標にまつわるよくある誤解と落とし穴」についてお伝えします。
■ 海外にも出願したのに、なぜトラブルに?
たとえばこんなパターン👇
「アジア数カ国にマドプロ(国際商標出願)で出したから安心してた。
でも、現地の法人に同じ名前を先に使われていて、販売を止められた…!」
実際に、「出願はしてたけど、使えなかった」というケース、珍しくありません。
■ よくある“落とし穴”3選
① 出願=商標が「使える」とは限らない
商標登録されたからといって、その国で実際に使えるとは限りません。
なぜなら、現地で先に使っていた会社が異議を出してくることがあるからです。
※実際、欧州などでは異議申立てされる確率が少なくありません。
② 日本では問題なかった名前が、海外ではNGになる
たとえば…
・英語にしたとき、すでに似た商標が登録されていた
・特定の国では、意味が“ネガティブ”な単語だった
・宗教・文化的にNGワードだった
③ 海外では「使用実績」が求められるケースも
国によっては、「登録はしたけど、実際に使ってない」商標が無効になることも。
特にアメリカなどは“使用主義”の文化が強く、形式だけの登録では弱いこともあります。
● 対策は“現地リサーチ”と“戦略設計”
海外展開前に考えておきたいことは👇
・その国で、似た名前を誰かが先に使っていないか?
・文化・言語的に意味は問題ないか?
・商標の保護範囲と期間はどうなっているか?
・マドプロで出願すべきか、個別に出すべきか?
一度取った商標がその国で使えないと、
看板・パッケージ・ドメイン・SNSアカウント…すべてのやり直しになります。
■ まとめ:海外展開は「商標の地雷チェック」から
せっかく準備してきた海外ビジネスが、
「名前」でつまずくのは本当にもったいない。
国際商標の出願はもちろん、事前のチェックと現地事情の把握が大切です。
海外展開を考えている方、今すでに進めている方も、
「この名前、大丈夫かな?」と気になったら、お気軽にご相談ください!
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