【社風と知財】“発明が生まれる職場”の共通点とは?
2025.07.12
こんにちは、弁理士の植田です。
知財の話というと、「法律」や「手続き」が主役と思われがちですが、
実はもっと根本的なところ──
“職場の空気”=社風 が、発明の有無を左右することをご存知ですか?
今日は、「特許が生まれる会社」と「そうでない会社」の違いを、
これまで多くの企業を見てきた経験からお話します。
■ 特許が生まれる会社に共通する“3つの社風”
①「失敗してもいいからやってみよう」がある
新しいチャレンジや試作の中からしか、革新的な技術は生まれません。
逆に「ミスは許されない」「前例がないとダメ」という空気の会社では、
そもそも発明につながる芽が育ちません。
▶ 技術者が気軽に試せる“心理的安全性”が大切です。
②「現場からのアイデアが歓迎される」
現場スタッフや中堅社員が「こんな仕組みどうですか?」と言ったとき、
上司が「それ面白いやん」と拾えるかどうか。
発明は、トップダウンよりも“現場の課題解決”から生まれることが多いです。
▶ アイデアが埋もれない“オープンな風土”が発明のカギ。
③「知財を“資産”と捉えている」
「うちはまだまだ」「ウチには特許なんて関係ない」という空気では、
どんなアイデアも“流れて終わり”です。
逆に、経営陣が知財の価値を理解している会社は、
社員も「出す意味がある」と感じ、モチベーションが上がります。
▶ 社内に“知財を評価する文化”があると、発明は自然と増えます。
●知財は“制度”ではなく“文化”でもある
私はこれまで、
製造業・サービス業・スタートアップなど様々な現場に関わってきましたが、
特許が出る会社には“共通する空気”があります。
それは、
「気づきや工夫が歓迎される」「誰でも発案できる」「知財を大事にする」
といった文化です。
この空気をどう作るかこそ、経営の腕の見せどころかもしれません。
●まとめ:「発明が生まれるかどうかは、“制度”より“空気”で決まる」
制度としての「職務発明」や「報奨金制度」も大切ですが、
一番の土台は、“いいアイデアが出やすい空気”を育てること。
もし今、
・現場の改善が止まっている
・技術者が元気がない
・特許がずっと出ていない
そんな悩みがあれば、
社内の“知財に対する意識”を見直してみるチャンスかもしれません。
社内制度づくりや知財意識の啓発についても、サポートしています。
ご興味があれば、お気軽にご相談ください。
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