【知財相談あるある】「これって商標になりますか?」の本音
2025.07.13
こんにちは、弁理士の植田です。
今日は知財相談のなかでも、よく聞かれるこの質問。
「この名前、商標になりますか?」
──もちろん、毎回まじめにお答えしていますが、
実はこの質問、ちょっとだけ“落とし穴”があるんです。
今回は、そんな「商標相談あるある」の本音と、
相談のときに押さえておきたいポイントをお伝えします!
■「商標になりますか?」って、どういう意味?
まず、相談を受けたときに私が考えるのは、
「“商標になる”って、どの意味で言ってるのかな?」ということ。
実は、このフレーズには大きく分けて3つの意味が含まれていることが多いです。
①「登録できるか?」
→ 審査に通って、特許庁で登録されるかどうか?
ここでは「すでに同じ名前が登録されていないか」「似た名前があるか」がポイント。
見た目・読み方・意味が似ていると、NGになることも。
②「使えるか?」
→ 他人の権利を侵害せずに、自社で使ってもOKか?
これは、“登録されるかどうか”とは別問題。
誰かがすでに登録していて、こっちが後から使うと逆にトラブルになる可能性もあります。
③「保護できるか?」
→ この名前で、ブランドをしっかり守れるのか?
「意味が広すぎて識別力がない」
「地名や一般的な言葉だから商標にならない」
というケースも実際あります。
■ よくある“勘違い”パターン
・「ウチの名前、他で見たことないから登録できるでしょ?」
→ 意外と似た読み・意味でNGな例が多いです。
・「法人登記してる=商標もOKでしょ?」
→ 登記と商標は別モノ。商標は早い者勝ちです。
・「インスタで使ってる=自分のモノ」
→ いくらSNSで知名度があっても、商標登録してないと守れません!
■ 相談時に押さえておきたいポイント
商標に関する相談をするときは、以下のような情報を整理しておくとスムーズです。
・実際に使っている名前やロゴの候補
・使っている(使いたい)商品・サービス内容
・展開する予定の地域(国内のみか、海外もか)
・これまでに誰かが同じ名前を使っていないかの調査履歴
そして、「商標になりますか?」の裏にある
「何を目的にしたいのか?」を一緒に考えるのが、弁理士の役割です。
●まとめ:「“登録できるか”だけじゃない!」
商標の相談って、ただの“登録の可否”を知りたいだけじゃなく、
・ビジネスに使えるのか
・他人とトラブルにならないか
・ちゃんとブランドを守れるのか
という戦略的な視点が求められるんです。
だからこそ、「これって商標になりますか?」は、
“スタート地点”であり、ゴールじゃない。
気になる名前がある方、今使っている名前がある方──
モヤッとしたら、一度ご相談くださいね!
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