【外国人観光客向け】インバウンド対策で重要な“翻訳ネーミング”の罠
2025.07.22
〜観光地・地域商材のブランディングと商標保護のギャップとは?〜
こんにちは、弁理士の植田です。
コロナ明け以降、外国人観光客の数が急回復していますね。
それに合わせて、
・「うちの地域もインバウンド向けに動き出したい」
・「海外の人にも伝わる名前に変えたい」
…そんなご相談が増えてきました。
ただ、“翻訳ネーミング”には落とし穴があります。
今日は、その盲点と、知財でどう守っていくかをお伝えします!
●インバウンド=名前の「変換」がカギ?
例えば、地域の特産品や観光施設を、
・「〇〇物産館」→ “○○ Market”
・「おふくろの味」→ “Mom’s Kitchen”
・「美人の湯」→ “Beauty Hot Spring”
…といった形で、英語や中国語に翻訳・変換してPRするケース、よくありますよね。
もちろん、これは“伝わるための工夫”としては大事。
でも…
●翻訳した名前、商標になってませんよ?
翻訳された名前は、新しいネーミングと同じ扱いです。
つまり、別物として商標を取る必要があるんです。
よくある落とし穴:
① 英語表記で海外販売 → その名前が他社の商標だった!
→ 海外展開するなら、その国での商標チェック&出願が不可欠。
② “翻訳名”がネット上で先に使われていた
→ 海外ユーザーにとっては、元の日本語名より、翻訳名が印象に残る。
先に使われている名前だと、ブランド構築が難しくなることも。
■「伝わる」だけじゃなく、「守る」準備を!
インバウンド対策では、
・表記(翻訳やロゴ)を工夫して伝えること
・その表記が使えるか、守れるかを確認すること
この2つをセットで考えるのが大事です。
特に、
・観光協会や自治体がプロジェクトを進めるとき
・地場産品を海外にも売りたいとき
・海外バイヤー向けに英語カタログを作るとき
には、知財の視点が欠かせません。
●まとめ:海外に広げるなら「ネーミング」も知財対応を!
翻訳しただけ、カッコよくしただけの名前で進めてしまうと、
あとで「その名前、使えません」となるリスクがあります。
翻訳ネーミング=ブランドのもうひとつの顔。
その“顔”をちゃんと守る準備、していますか?
📩 気になる商品名・施設名があれば、
翻訳商標のチェックから一緒に考えますので、お気軽にどうぞ!
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