【家業を引き継ぐ前に】「名前」「ロゴ」「ノウハウ」はちゃんと権利化されてる?
2025.08.05
── 後継者向けに“見えない資産”の棚卸しを
こんにちは、弁理士の植田です。
今回は「家業の承継」と「知的財産」についてお話します。
家業の“資産”は、目に見えるものだけじゃない
後継ぎとして会社に入ると、
・工場や設備
・帳簿や財務情報
・顧客リスト
など、「目に見えるもの」にどうしても意識が向きがちです。
でも、実は見落とされがちなのが──
会社の名前・ロゴ・商品名、そして“職人技”やノウハウといった「知的資産」。
これ、ちゃんと“守る仕組み”ができてますか?
よくあるケース①:「商標登録してなかった…!」
創業当時からずっと使っている屋号やロゴ。
地域でもすっかり定着しているし、「うちは大丈夫」と思いがちですが──
実は商標登録していなかったことで、
他社に似たような名前を先に取られてしまい、変更を迫られたなんて事例もあります。
商標は「先願主義」。
後からどれだけ使っていても、「先に登録された者勝ち」なのが原則です。
よくあるケース②:「レシピや技術が、辞めた職人の手に…」
「うちの味は、あのベテランがずっと守ってきた」
「この加工技術は、先代の工夫の積み重ねや」
それ、契約もなく口伝えで済ませていませんか?
こうしたノウハウは、技術情報管理契約や秘密保持契約(NDA)で守ることが大切。
放っておくと、辞めた従業員が他社で同じ技術を再現するなんてことも…。
よくあるケース③:「後継者が“知財の所在”を把握してない」
特許、意匠、商標──
「社内に何を登録してるのか」「更新はいつか」「誰の名義か」
これ、ちゃんとリスト化できてますか?
更新費用の払い忘れで権利が切れていた…
名義が先代個人のままで、事業承継後にトラブルに…
そんな“うっかり”が、あとで大きな損失になることもあります。
まずは“棚卸し”から始めよう
家業を引き継ぐときにやっておきたいのは、
「知的財産の棚卸し」です。
たとえば──
■ 会社名・商品名・ロゴ ⇒ 商標登録されているか?誰の名義か?
■ ノウハウ・技術 ⇒ 契約で守られているか?誰が知っているか?
■ 過去に出した特許 ⇒ 登録済みか?年金は払っているか?
これを一度リスト化して、見える化しておくと、
事業承継もスムーズになります。
まとめ:知財も“バトン”の一部です
事業承継は、「モノ」や「売上」だけの引き継ぎではありません。
これまで積み重ねてきたブランド、信用、技術も、
きちんと守り、引き継いでいくことが大切です。
「どこから手をつけていいかわからない」
そんなときは、弁理士にご相談ください。
あなたの会社の“見えない資産”、一緒に見える化していきましょう!
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