【知財を担保に!?】“知財金融”ってどういう仕組み?中小企業にもできる?
2025.08.09
こんにちは、弁理士の植田です。
今回はちょっと耳慣れないかもしれない言葉、
「知財金融」についてお話しします。
最近、金融機関や自治体の取り組みとしても注目されていて、
特許や商標といった知的財産を“資産”として評価し、融資につなげる仕組みです。
■ 知財金融って何?
通常の融資は「不動産」や「在庫」「売掛金」などの“目に見える資産”を担保にしますよね。
それに対して知財金融では、
・特許権
・商標権
・意匠権
・著作権
・ノウハウ(営業秘密)
といった“見えない資産”を担保や評価対象にして、融資や投資を受けられる仕組みです。
■ どうやって評価するの?
知財の価値は、単に「権利を持っているか」ではなく、
1.ビジネスで活用されているか(売上や市場シェアとの関係)
2.競合と差別化できるか(独自性や模倣困難性)
3.市場成長性(将来性)
などを組み合わせて評価します。
最近では、外部の知財評価機関や弁理士がレポートを作成し、
それをもとに金融機関が融資判断をするケースも増えています。
■中小企業でも使えるの?
結論から言うと…使えます。
「知財金融」と聞くと、大企業やハイテク企業だけの話に思えますが、
実際はこんな事例もあります。
・地域の食品メーカーが、ブランド商標を担保に融資
・製造業の改善特許を評価して、設備投資資金を調達
・IT企業がソフトウェア著作権を担保に新規事業資金を確保
ポイントは、“知財を活用したビジネスモデル”があるか。
単なる登録だけでなく、「この権利を使ってこう稼ぐ」が示せることが重要です。
■ 知財金融を使うメリット
1.無担保では難しい資金調達が可能になる
2.知財の価値を社内外にアピールできる
3.金融機関との関係性が深まる(経営計画の精度もアップ)
特に中小企業の場合、知財の価値を見える化するだけでも、
取引先や投資家からの信頼が高まります。
■ 注意点
・権利が切れていたり、維持年金を払っていないと評価ゼロになる
・実際の活用実績がないと、高い評価はつきにくい
・契約や権利関係が不明確だと、金融機関が担保として認めないことも
つまり、日頃から知財を整理・管理しておくことが大前提です。
● まとめ
知財は「守る」だけでなく「資金調達にも使える」時代。
中小企業にとっても、
・ブランド商標
・改善特許
・独自の意匠デザイン
これらは立派な資産です。
資金繰りや成長戦略を考えるとき、ぜひ選択肢のひとつとして
「知財金融」を頭に入れておいてください。
● 「うちの知財って金融に使える?」
「評価レポートを作ってほしい」
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