【特許出願、待った!】“事業と連動した出願”を考えるタイミングとは?
2025.08.14
こんにちは、弁理士の植田です。
特許出願は「早い者勝ち」です。
このため、多くの企業や発明者は「思いついたらすぐ出願!」という意識を持っています。
もちろん、先願主義のルール上、早さは重要です。
しかし、ビジネスの視点から見ると、
「今すぐ出すべきか?」は別の問題です。
場合によっては、出願を急ぐよりも事業との連動を
考えた方が価値が高くなるケースもあります。
1. 出願を急ぎすぎると起こること
- 権利化費用がムダになる
→ 実際には事業化しない技術まで出願し、維持費が負担に。 - 改良の余地を潰す
→ 早く出しすぎて、その後の改良点を別出願にできず、広く権利が取れない。 - 競合に動きを悟られる
→ 出願公開で戦略がバレ、先回りされる可能性。
2. 事業と連動させる出願タイミングの考え方
(1) 製品仕様が80%固まった段階
試作品やPoC(概念実証)で方向性が明確になったら出願準備。
後からの設計変更リスクを減らせます。
(2) 営業・マーケと情報共有できる段階
出願内容をどう売り文句に使えるかを社内で確認。
「特許出願中」という表示は販促ツールにもなります。
(3) 海外展開や提携の交渉前
特許出願は交渉カードになります。
M&Aやライセンス契約の直前に合わせることで、条件交渉を有利にできます。
3. 出願前にやっておきたい3つの準備
- 市場調査と特許調査のセット
→ 市場が伸びていて、かつ特許的に空いている領域かを確認。 - 改良アイデアの洗い出し
→ 出願を1回で終わらせず、分割・追加出願の余地を残す。 - 事業計画との照合
→ 事業化までのロードマップと権利化スケジュールをリンクさせる。
4. まとめ
・特許出願は「早ければいい」ではなく、「事業戦略と同期」させるのがポイント。
・製品仕様・販促計画・提携交渉など、ビジネスの節目に合わせると効果大。
・出願前の調査・改良・計画立案が成功のカギ。
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