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【日中ビジネスで注意】中国で登録してても、日本では使えない!? 商標の違い

2025.08.21

こんにちは、弁理士の植田です。

中国から日本へビジネスを広げる企業や、逆に日本から中国に進出する企業のご相談を受けていると、よく耳にするのがこの言葉です。

「中国で商標を取っているから、日本でも安心ですよね?」

実はこれ、大きな誤解なんです。
商標は「国ごと」に制度があり、中国で登録していても、日本では全く効力を持ちません。


■ なぜ「使えない」ことが起こるのか?

商標権は 属地主義
つまり、どの国でも「その国の商標庁で登録されたもの」だけが権利として認められます。

そのため、

・中国で登録していても、日本では効力ゼロ
・日本で登録しても、中国では効力ゼロ

という状況になります。


■ 中国商標と日本商標の制度差


具体的に、制度の違いを整理してみましょう。

1. 出願言語の違い

中国:漢字・アルファベット・ピンイン(発音表記)など複数で登録可能
日本:基本は文字・ロゴそのまま。中国の「漢字商標」を日本でそのまま保護できるとは限らない

例:
中国で「龙珠」を登録しても、日本では「ドラゴンボール」が商標登録されていたら使えません。


2. 出願スピードと“先取りリスク”

中国:商標の“先取り(スピード勝負)”が非常に多い
日本:同じく「先願主義」ですが、悪意の先取りに対しては救済手段が多少あります

例:
中国ブランドが日本に進出しようとしたら、すでに日本の別企業が同じ名前を登録していた…というトラブルは実際にあります。


3. 使用実態の要件

中国:登録後3年以内に「使用実績」がないと、不使用取消される可能性あり
日本:登録後3年以上使用していなければ、不使用取消審判で無効になる可能性

● 共通点もありますが、実際には「どの範囲の使用が認められるか」の判断基準に差があります。


■ 実際にあったトラブル例

ある中国企業が、自国で有名なブランドを日本に持ち込もうとしました。
しかし日本では、すでに別の会社が同じ名前を商標登録済み。

結果、日本でその名前を使うことができず、ブランド名を変更せざるを得ない事態になりました。

● 商品のラベル・パッケージ・広告すべてを作り直し、
「進出コストが大幅に増えた」というケースもあります。


■ 防ぐためにできること

中国と日本の両方でビジネスをするなら、以下は必須です。

1.事前の商標調査
 日本に進出する前に、同じ名前が商標登録されていないかを確認する。

2.両国での出願
 中国と日本の両方で、同じタイミングで出願しておく。

3.漢字・カタカナ・英語のバリエーションも出願
 中国語の表記だけでなく、日本で実際に使うであろう「カタカナ名」「英語名」も抑える。


■ まとめ

・商標は国ごとに別物。中国で登録していても、日本では保護されない
・日本進出時には「商標の先取りトラブル」が起こりやすい
事前調査と日中両国での出願が、ブランドを守る最短ルート


当事務所では、中国→日本、日本→中国、いずれの進出ケースもサポートしています。

📌 「中国で商標を持っているけど、日本ではどうすればいい?」
📌 「これから日本市場に出たいが、商標リスクを避けたい」

そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。

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