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【海外との違い】アメリカと日本でのビジネスモデル特許の扱い方

2025.09.03

こんにちは、弁理士の植田です。

ここ数年、フィンテックやSaaSなどのご相談でよく聞かれるのが、

「アメリカではビジネスモデル特許が取れるのに、日本は厳しいんですか?」

という質問です。

実は、アメリカと日本ではビジネスモデル特許の扱い方に大きな違いがあります。


🇺🇸 アメリカの場合:積極的に保護されるが、近年は厳格化

アメリカでは、1990年代後半から「ビジネス方法特許(Business Method Patent)」として多くの出願・登録が行われてきました。

例えば、Amazonの「ワンクリック購入システム」は有名な事例です。

ただし、2014年の Alice判決 以降、単なる「アイデア」や「コンピュータでやるだけ」の仕組みは特許として認められにくくなりました。

それでも、技術的な要素や具体的なシステム構成を盛り込めば特許化できる余地は大きい のが特徴です。


🇯🇵 日本の場合:技術的特徴が必須

日本でも「ビジネスモデル特許」という言葉は使われますが、
実際には「ソフトウェア関連発明」の一種として扱われます。

審査のポイントは:

・単なる取引の仕組み(ビジネスのルール)はNG
・コンピュータやネットワークを使って“具体的にどう処理するか”を説明すればOK

つまり、「お金の流れの工夫」だけでは難しく、
技術的なアルゴリズムや処理方法を盛り込むことが必須 になります。


🌍 違いをまとめると

項目アメリカ日本
保護範囲広い(ただし近年は制限あり)技術的要素がないと認められない
有名事例Amazonワンクリック特許フィンテック系のシステム発明など
実務上の戦略早めに出して交渉・投資家向けPRに活用実装と連動させて、技術的な部分を強調

■中小企業・スタートアップにとってのポイント

1.「日本では無理」と思わないこと
 工夫の技術的な部分をしっかり説明すれば、十分に特許になる可能性があります。

2.アメリカを視野に入れること
 SaaSやフィンテックは海外展開が早い分野。アメリカでの特許戦略を並行して考えるのも有効です。

3.投資家向けのアピールに活用すること
 「ビジネスモデルを権利化している」と言えるだけで、評価は大きく変わります。


    ● まとめ

    ・アメリカは「広く取れるが審査は厳格化」
    ・日本は「技術的要素が必須」
    ・どちらも、“単なるアイデア”ではなく“仕組みを技術に落とし込む”ことがカギ

    ビジネスモデル特許は、事業の差別化だけでなく、投資・M&A・海外展開 にも直結する大事な武器です。

    📌 「この仕組みは日本とアメリカ、どっちで出すべき?」
    📌 「投資家に説明できる形にしたい」

    そんなご相談も大歓迎ですので、気になる方はぜひお気軽にどうぞ。

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