【フィンテックの知財戦略】決済・融資・KYCで“差がつく”特許の書き方
2025.09.05
こんにちは、弁理士の植田です。
キャッシュレス決済やオンライン融資、本人確認(KYC)など、
フィンテック領域 はサービスの差別化が難しい一方で、
技術革新のスピードが速く、模倣リスクも非常に高い分野です。
そんな中で有効な武器となるのが ビジネスモデル特許。
今日は、フィンテック企業が特許出願をする際に押さえるべき「書き方の工夫」について整理します。
◆ 1. 決済サービス編|アルゴリズムより「ユーザー体験」を強調
決済系の特許では、単なる暗号化や認証方式を説明するだけでは不十分です。
・「購入から支払い完了までのフロー短縮」
・「店舗・ユーザー・決済事業者の三者をどうつなぐか」
・「エラー発生時の自動処理や再認証の仕組み」
👉 技術そのものよりも、ユーザーにとっての利便性や安全性がどう向上するか を記載するのがコツです。
◆ 2. 融資サービス編|与信判断の“具体的プロセス”を落とし込む
フィンテックの中でも差別化が難しいのが融資。
「AIでスコアリングします」だけでは、特許になりにくいです。
・どのデータを入力に使うか(購買履歴、決済履歴、SNS情報など)
・どんな重み付けや判定プロセスを経るか
・どの時点でユーザーに結果を返すか
👉 「具体的な処理ステップ」まで落とし込むことで、単なるアイデアではなく“実現可能な仕組み” として評価されやすくなります。
◆ 3. KYC(本人確認)編|“他システム連携”を明確に
KYCは規制要件が厳しいため、銀行や証券会社との競合も激しい領域。
・顔認証やID確認の「精度向上の仕組み」
・外部の公的データベースやAPIとの「連携方法」
・本人確認後の「データ利用フロー」
👉 ポイントは、単独の技術 ではなく「外部との連携・運用フロー」まで特許請求に含めること。
これにより、後発サービスが“抜け道”で真似しにくくなります。
◆ フィンテック特許を書くときの3つの鉄則
1.ユーザー体験に落とす
単なる技術の羅列ではなく、「誰がどう便利になるか」を具体的に。
2.処理ステップを具体化する
AIやアルゴリズムは“抽象的”に書かない。入力データや判定方法まで踏み込む。
3.外部連携を組み込む
決済ゲートウェイ、金融機関、認証APIなど、他システムとの関係を明示する。
◆ まとめ
フィンテック分野は、スピード勝負で真似されやすい からこそ、
「思いつきのアイデア」ではなく、具体的な仕組みを特許化する視点 が重要です。
出願書類に落とすときは、
・UX(顧客体験)
・データ処理ステップ
・外部連携の仕組み
この3点を明確にすることで、強い特許になり、模倣を防ぎやすくなります。
📌 当事務所では、フィンテック企業のビジネスモデル特許や国際出願にも実績があります。
「この仕組み、特許になる?」という段階からでもお気軽にご相談ください。
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