【特許or営業秘密】公開して守るか、非公開で攻めるか — 意思決定フレーム
2025.09.06
こんにちは、弁理士の植田です。
新しい技術やノウハウを手にしたとき、
企業が直面する大きな選択肢があります。
それは 「特許に出願するか、
営業秘密として非公開にするか」 という判断です。
どちらを選ぶかによって、その後の事業戦略や競争力に大きな差が出ます。
今日は、この意思決定を整理するためのフレームをご紹介します。
■ 特許にするメリットとリスク
メリット
・公開する代わりに「20年間」独占できる
・権利侵害に対して法的に強力に対応できる
・投資家や金融機関への説明で“資産”として見せやすい
リスク
・出願から1年半後に内容が公開されるため、模倣リスクが生じる
・出願費用・維持費用が発生する
・技術進歩が早い分野では、公開時点で陳腐化する可能性も
👉 公開して「守る盾」を持ちたいなら特許。
■ 営業秘密にするメリットとリスク
メリット
・永続的に秘密として保持できる(更新費用なし)
・公開したくないノウハウを隠したまま活用可能
・製造工程やアルゴリズムなど“外から見えない技術”に有効
リスク
・秘密管理が甘いと「ただの情報」になってしまう
・漏洩・リバースエンジニアリングのリスクがある
・権利侵害の立証が難しく、訴訟で不利になる場合も
👉 隠すことで「参入障壁」を築けるなら営業秘密。
■意思決定フレーム(3つの問い)
1.競合が模倣可能か?
・容易に逆解析できるなら特許へ。
・製造工程のように外から分からないなら秘密化も選択肢。
2.事業ライフサイクルはどのくらいか?
・長期的に活用する技術なら特許で守る価値大。
・数年で陳腐化するなら営業秘密の方が効率的。
3.資金調達や信用力に必要か?
・投資家・金融機関向けに「知財資産」を見せたいなら特許。
・社内ノウハウ重視で外部開示不要なら営業秘密。
●まとめ
特許 or 営業秘密 の選択は、技術そのものよりも
事業戦略の方向性 によって決まります。
「公開して守るか」
「隠して攻めるか」
どちらも正解になり得ますが、判断を誤ると
「せっかくの技術が無防備」という事態にもなりかねません。
当事務所では、事業計画や競合環境を踏まえた知財戦略の設計 をサポートしています。
「特許と営業秘密、どっちが有利?」と迷われる方は、ぜひ一度ご相談ください。
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