【AIでネーミングしても大丈夫?】ChatGPTで生成された名前の商標リスクとは
2025.09.27
こんにちは、弁理士の植田です。
最近、クライアントからこんな質問を受けることが増えました。
「ChatGPTでブランド名を考えてもらったんですが、
これってそのまま使っても大丈夫ですか?」
この問い、今や決して他人事ではありません。
ChatGPTなどの生成AIを活用して
商品名・サービス名・ブランド名を“手軽に”生み出せるようになった今、
思わぬ落とし穴=「商標リスク」が潜んでいます。
この記事では、
・AIが考えた名前の商標トラブルとは?
・実際に起こりうるリスク3選
・安全に使うためのチェックポイント
を分かりやすくお伝えします。
■そもそも「ChatGPTで考えた名前」は安全なの?
結論から言うと、
AIが生成した名前でも、商標トラブルは十分起こり得ます。
ChatGPTは、過去に学習した膨大なテキストをもとに、
「それっぽい」「ありそうな」「よく使われる」名前を組み合わせるのが得意です。
そのため、既に誰かが商標登録している名前と
“たまたま一致”することは十分あり得ます。
■ 実際にありそうな商標リスク3選
① 偶然にも“他社の登録商標”と一致していた
ChatGPTは商標データベースを見て生成しているわけではないため、
すでに登録されている名前と、まったく同じ名前を返すこともあります。
例えば:
・ChatGPTが提案した「エアリス(Airlis)」が、実は化粧品業界の登録商標だった…
・「TechniGo」という名前、実は同じ区分で既に登録されていた…
使い始めた後に“商標権侵害”で警告書が届くリスクもゼロではありません。
② 一見オリジナルに見えるが、“類似”と判断されるパターン
ChatGPTが出した名前が既存の商標と完全一致していなくても、
類似と見なされるケースがあります。
たとえば:
・既存商標:ピュアモア(Puremore)
・ChatGPT提案:ピュアモール(Puremall)
業種やターゲット層が近いと、「混同のおそれあり」と判断され、
登録も使うこともNGに。
③ “汎用的すぎて”商標登録が取れない
ChatGPTは「誰にでも伝わりやすい言葉」を好みますが、
それが原因で“識別力がない”と判断される名前になりがちです。
たとえば:
・「日本コスメショップ」
・「やさしいパン屋」
・「オンライン英語スクール123」
これらは、「ありふれた表現」とされ、商標登録が拒絶されることが多いです。
■ ChatGPTをネーミングに使うときの注意点
チェックポイント | 内容 |
---|---|
商標登録されていないか調査したか? | J-PlatPat等で検索。完全一致だけでなく“類似”も注意 |
「業種」「商品ジャンル」が一致していないか? | 他業種でも登録されていれば、後からトラブルに発展する可能性あり |
商標登録に必要な“識別力”があるか? | 汎用的な名前・単なる説明語句では登録できない可能性が高い |
出願予定の区分を意識しているか? | 飲食・アパレル・アプリなど、事業内容に合った区分で検討する |
■ 弁理士からのアドバイス:「AI×商標」は“補助的な使い方”がおすすめ
ChatGPTなどの生成AIは、「ネーミングの発想の広げ方」には非常に有効です。
ですが…
“最終決定”には必ず人間の目と法的チェックを。
商標は、「早い者勝ち」かつ「使ってしまうと戻れない」性質があります。
使い始めてからでは、取り返しがつかないことも。
👉 できればネーミング候補が出た段階でご相談いただければ、
商標の調査〜出願までを一貫してサポートできます。
● まとめ
・ChatGPTで生成した名前にも“商標リスク”はある
・登録済の商標と同じ/類似/識別力不足 などの注意点あり
・AIの提案は“参考”として活用し、最終判断は専門家の目で
・出願前にしっかり調査+戦略的な商標出願を!
📩 ネーミング段階でのご相談も歓迎です!
・「AIで出した候補が商標取れるか見てほしい」
・「どの区分で出すべきかわからない」
・「出願〜登録まで全部お願いしたい」
ミライエ国際特許事務所では、ネーミング段階からの商標戦略サポートを行っています。
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