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【UI特許・意匠】アプリ画面を守るために必要な権利の取り方とは?

2025.09.30

こんにちは、弁理士の植田です。

「うちのアプリ画面、他社に真似されたら困るんですが、何か権利で守れませんか?」
「操作の流れは工夫したつもりだけど、それって特許になりますか?」

──最近、アプリやSaaSサービスを開発する企業から、
  UI(ユーザーインターフェース)を守りたいというご相談が増えています。

結論から言うと、アプリの「画面の見た目」や「操作の流れ」は、
意匠や特許で守れる場合があります。
ただし、どの部分を・どうやって・どの制度で保護するかによって、対応が分かれます。

今回は、「UIを知財で守る」ための考え方と、意匠・特許の使い分けを解説します。


1. 【意匠】“画面の見た目”を守るには?──「画面意匠」の活用

まずは、アプリ画面の「ビジュアル(見た目)」を守りたい場合。

ここで活用できるのが、意匠法による「画面意匠登録」です。

2020年の法改正により、スマホやPCに表示される
GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)も、意匠登録の対象になりました。

たとえば:

・特徴的な操作ボタンの配置
・独自のアイコンやレイアウト
・アニメーション付きの表示遷移

など、「視覚的な特徴」が明確に示されていれば、
“見た目”として意匠登録が可能です。

📌 ポイント
・出願時には、画面の画像や図面(複数枚)を準備する
・「物品に表示された画像」か「機器に表示される画面」かによって、要件が変わる
機能や操作フローは守れない(あくまで外観だけ)


2. 【特許】“操作の流れ・仕組み”を守るには?──ソフトウェア特許の出番

「UIの見た目」ではなく、「この画面をタップすると、次の画面にこう遷移して…」
といった“動き”や“処理の順番”の工夫を守りたい場合は、
特許(ソフトウェア特許)を検討します。

特に、下記のような場合は、発明として特許になる可能性があります。

■ ユーザーの利便性を向上させる「画面遷移の制御方法」
■ 位置情報やセンサーと連動した「画面表示の変化」
■ 入力のしやすさを高める「自動入力補助のアルゴリズム」

ここで重要なのは、「技術的課題を解決しているかどうか」です。

つまり単なる“操作の流れ”ではなく、技術的な裏づけや工夫
(例えば処理効率やUI/UXの向上)があることが求められます。

📌 特許化のコツ
・画面構成だけでなく、その背後にある処理やロジックも記述
・「ユーザー体験の向上」や「エラー回避」といった効果を具体的に説明
・早めの出願が有利(先願主義)


3. 意匠と特許、どう使い分ける?

両者の違いを整理すると──

内容意匠(画面意匠)特許(UI特許)
対象見た目・デザイン機能・動作の仕組み
要件視覚的に新しいか技術的に新しいか
出願資料画像・図面明細書・図面
権利期間原則 25年原則 20年
斬新なメニュー画面の配置入力ミスを減らす自動補完処理

📌 UIがコアになるアプリでは、「意匠+特許のダブル出願」も有効です。


4. こんなUIが権利化されます

🔹飲食店向け注文アプリ
「店員がオーダー画面をスライドすることで、注文履歴が自動で反映される仕組み」
→ 操作フローに関して特許取得

🔹フィットネスアプリ
「タップしながら選択できる直感的なトレーニングプラン画面」
→ デザイン部分で意匠登録

🔹教育アプリ
「学習状況を可視化するゲーミフィケーションUI」
→ 特許と意匠の両方で保護


5. まとめ|アプリのUIは「守れる時代」です

一昔前まで、UIの工夫は「真似されても仕方ない」と言われていました。
でも今は違います。

見た目は「意匠」、動きや仕組みは「特許」で守る時代です。

特に、SaaS・フィンテック・教育・医療などの分野では、
「UI=差別化の武器」になる場面も多いため、
早い段階での権利取得が大きな意味を持ちます。


ミライエ国際特許事務所では…

✔ UI特許・画面意匠の出願サポート
✔ 特許と意匠の“どちらが向いているか”の診断
✔ 開発初期からの知財戦略アドバイス

を行っています。

「このUI、守れるか見てほしい」
「開発の途中だけど、どのタイミングで出すべき?」
「社内にUIを説明する資料が欲しい」

といったご相談もお気軽にどうぞ。


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