【「逆輸入商品」で知財トラブル!?】海外から仕入れるときに確認すべき権利とは
2025.10.01
こんにちは、弁理士の植田です。
ここ数年、海外製品を日本で販売するビジネスが拡大しています。
Amazonや楽天、BASEなどでも「逆輸入風の商品」や
「海外の人気アイテム」を目にする機会が増えました。
特に、D2Cブランドや個人セラーの間でも、
「海外から仕入れて自社ECで販売する」モデルが注目を集めています。
ただし、ここで注意すべきなのが──
「仕入れた商品が、実は日本で“権利侵害”になってしまう」ケース。
今回は、「逆輸入」や「海外からの仕入れ販売」に潜む知財リスクと、
事前にチェックすべきポイントについて、わかりやすく解説します。
◆「逆輸入商品」とは?
まず、用語の整理です。
「逆輸入商品」とは、
もともと日本企業が海外向けに作った商品を、
第三者が海外から日本に持ち込んで販売するものを指すことが多いですが、
広義では、
「海外製品を仕入れて、日本で販売する」というビジネス全般に
当てはめて使われています。
一見、合法のように思えますが、知財の観点では思わぬ落とし穴があります。
◆こんなケースで“NG”になる!?
例えば、次のような例が典型的です。
❌ ケース1:海外では自由に販売OK → 日本では商標権に抵触
中国や韓国で販売されている人気コスメを輸入して、自社サイトで販売。
ところが、日本ではそのブランド名がすでに商標登録されていた。
→ 結果:販売差し止め+損害賠償請求のリスク
❌ ケース2:海外で製造 → 特許侵害製品だった!
アメリカのガジェットを仕入れて、日本で販売開始。
しかしその機能が、日本で既に特許権を持つ他社の技術とバッティング。
→ 結果:輸入時に税関で止められる or 警告書が届く
❌ ケース3:模倣品ではないのに意匠侵害!?
海外のデザイナー商品を正規で輸入したつもりが、
実は日本で似たデザインが「意匠権」として登録されていた。
→ 結果:“見た目”の類似だけで侵害扱いになるケースも
◆「知らなかった」では済まされないのが知財の世界
知的財産権(特許・商標・意匠など)は、
「国ごとに独立した権利」です。
つまり、
海外で売っていても「日本ではNG」ということは、珍しくありません。
しかも、知財侵害は
✔ 故意でなくても責任を問われることがある
✔ 税関での差止めや、販売停止・損害賠償リスクも
✔ 「仕入先が大丈夫と言ってた」では通らない
という非常にシビアな世界です。
◆仕入れる前に“確認すべき3つのポイント”
以下の3点は、商品輸入を検討する際の基本チェックとして押さえておきましょう:
1. ブランド名・商品名が日本で商標登録されていないか
・J-PlatPat(無料)で簡易調査が可能
・類似名称も要注意(音の響き、表記違いなど)
2. 特許権・実用新案が日本で存在しないか
・特に「新しい機能や仕組み」がある製品は特許リスク高
・特許権者が日本にいる場合、輸入時に止められることも
3. パッケージやデザインが意匠権の対象になっていないか
・似た形状・デザインでもNGになる可能性あり
・UI(アプリ画面)も意匠として登録されている時代です
◆不安があれば「事前に相談」が正解
逆輸入やD2Cのスタートアップでは、
スピードが重視されがちですが、「後からトラブルで全部停止」になると大損害です。
事前に私たちのような知財専門家にチェックを依頼することで、
「販売OKかどうか」「交渉してライセンスを取るべきか」などの判断もできます。
✔ 商品名が大丈夫か調べてほしい
✔ 特許のリスクがあるか調査したい
✔ 意匠登録されていないか不安
そんなときは、お気軽にご相談ください。
◆まとめ
・海外製品を日本で販売する場合、「知財リスク」に注意
・商標・特許・意匠のいずれも、日本では別の権利者がいる可能性あり
・「仕入れたのに販売できない」「差止め」「損害賠償」のケースも
・事前の調査と、必要であればプロのサポートが重要です
あなたのビジネスが大きくなるほど、
「知財の壁」は避けて通れません。
でも、知っていればリスクを回避できます。
輸入販売・D2C・副業セラーの方も、ぜひ知財リスクに対して一歩先の備えを。
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