【デザイナーと連携】ロゴ作成前に知っておきたい“商標の落とし穴”
2025.10.02
こんにちは、弁理士の植田です。
「せっかくプロにロゴを作ってもらったのに、商標登録ができなかった…」
そんな残念なご相談、実はけっこう多いんです。
ロゴデザインは、ブランドの“顔”とも言える重要な資産。
だからこそ、「見た目の良さ」だけでなく、
商標登録できるかも意識しておく必要があります。
■なぜロゴに“商標の目線”が必要なのか?
商標は、他社と自社のブランドを区別するための「識別標識」。
つまり、他の誰かが同じようなロゴや名前を使っていたら、登録はできません。
また、登録できないだけでなく、使っている途中で他社から
「それ、うちの登録商標です」と言われるケースも…。
ロゴは最初から、「使えるかどうか」だけでなく
「守れるかどうか」の視点が欠かせません。
■よくある“商標NG”なロゴのパターン
まず注意したいのが、次のようなロゴです。
・ありふれた言葉だけで構成されたロゴ
たとえば「COFFEE」や「TOKYO」など、
誰でも使いたい言葉だけでは登録が難しいケースがあります。
・他社の登録商標と似ているロゴ
形や読み方、意味が似ていると、審査で拒絶されることがあります。
・素材やフォントに権利の問題がある
フリーフォントや素材サイトの画像など、「商標登録不可」
と書かれているものもあるので注意が必要です。
・図形だけで構成され、識別力が弱いもの
オシャレでも、単なる模様のように見えると登録が通らないことも。
■デザイナーに頼む前にやっておきたいこと
ロゴの完成後に「これ、登録できません」となるのを防ぐには、
最初の段階で商標の視点を持っておくことが重要です。
以下のような確認をしておくと安心です。
・ロゴに使う名称(文字)が他社の登録と被っていないか、事前に検索する
・登録が難しい単語だけではなく、造語やユニークな表現を混ぜる
・使用するフォントや素材が「商標登録OK」と明記されているか確認する
・商標登録を前提とした構成や色・図形バランスにしてもらうよう、デザイナーに一言伝える
■商標登録できるロゴとは?
商標登録しやすいロゴにはいくつかの共通点があります。
それは、「他としっかり区別できること」と
「識別性(ブランドとしての認識力)があること」です。
たとえば、単なる文字だけでなく、図形や色の工夫を加えて独自性を出したり、
造語や社名・ブランド名を組み込むことで、登録できる確率がグッと上がります。
■ありがちな失敗例
実際のご相談で多いのが、次のようなパターンです。
・デザイナーがフリー素材をそのまま使っていて、登録できない
・有名な言葉・地名・業界用語で作ったロゴが識別力不足と判断された
・フォントのライセンスが「商標登録NG」と書かれていた
・すでに他社が商標登録しているロゴと似ていて、拒絶された
・商標登録できなかったため、後からロゴを一から作り直した
どれも、“ちょっと調べておけば防げた”話ばかりです。
■商標の専門家と、デザイナーが連携する時代へ
ロゴは「デザイン」と「法的な強さ」のバランスが大事です。
だからこそ、デザイナーだけで完結させず、商標の専門家(弁理士)
と連携するのがベストな選択肢です。
・ブランド戦略に合ったロゴを作りたい
・商標登録を前提にロゴを作ってほしい
・今あるロゴが登録できるか調べたい
そんなときは、早めにご相談ください。
●まとめ
ロゴは、ビジネスにおける“顔”であり“資産”です。
見た目の美しさだけでなく、「商標として守れるか」まで設計することが、
これからのスタンダードです。
せっかくのロゴが後から使えなくなる…そんな悲しい事態を防ぐために、
ぜひロゴ制作の前後で、商標の視点を取り入れてみてくださいね。
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