アプリ開発者向け:画面設計から特許・意匠を意識するコツ
2025.10.07
こんにちは、弁理士の植田です。
アプリを作るとき、まず意識するのは
「使いやすさ」「機能性」「見た目」ではないでしょうか?
しかし、その設計や見た目そのものに
“知財の価値”があるとしたらどうでしょう。
実は今、アプリ開発の現場では、画面デザインや操作の流れを
「意匠」や「特許」で守る動きが加速しています。
アイデアを盗まれないために、UI(ユーザーインターフェース)を
権利化するという考え方が重要になっています。
この記事では、開発者が知っておくべき
画面設計と知財のつながりを、やさしく解説します。
🔍アプリの“見た目”は意匠で守れる
「意匠登録」は、デザインの“見た目”を守る仕組みです。
アプリの場合、画面の構成やレイアウト、
操作アイコンの配置などが対象になります。
たとえば、
・地図アプリの検索バーとアイコンの配置
・家計簿アプリの月別タブの表示デザイン
・チャット画面の吹き出し配置や色使い
など、ユーザーが見て触れるUI(ユーザーインターフェース)
のデザインに独自性があれば、意匠として権利化できる可能性があります。
重要なのは、“技術的な裏側”ではなく
“見た目の形”を守れるという点です。
💡操作の“流れ”や“仕組み”は特許の対象に
一方で、アプリの使い方そのものが新しければ、
それは特許の対象です。
たとえば、
・特定の条件で画面が自動遷移する仕組み
・AIと連動してパーソナライズ表示を行う機能
・ユーザーの操作履歴を活用したレコメンド手法
など、“技術的な工夫”がある場合には、
ビジネスモデル特許やソフトウェア特許として出願できることがあります。
見た目(意匠)だけでなく、裏側のアルゴリズムや
処理方法を守れるのが特許です。
🎯意識すべき3つの視点
アプリ開発の早い段階から、以下のポイントを
意識するだけで知財戦略が変わります。
1. 画面レイアウトに“独自性”はあるか?
他社と違う配置や見せ方があるなら、意匠登録の可能性あり。
特に、「機能としては同じでも見た目が違う」場合は狙い目です。
2. 使い方に“新しい流れ”があるか?
「いままでにないユーザー体験」を生む導線や操作設計は、特許の対象になります。
既存アプリと何が違うのか、説明できるとベスト。
3. “画面の動き”を記録しておく
デザイン案や動きの遷移は、スクリーンショットや
画面遷移図として記録しておくことが重要です。
出願時にそのまま活用できることが多いです。
✍️出願のタイミングは“リリース前”が理想
よくある失敗が、「リリース後に真似された」
「出願しようとしたら他社に取られてた」というパターン。
意匠も特許も、日本では基本的に“先に出した方が勝ち”
の制度(先願主義)です。
β版リリース前、もしくはプロトタイプ段階でも出願可能なので、
アイデアが固まったら早めの検討をおすすめします。
👨💻まとめ:アプリ開発と知財は“セット”で考える時代へ
アプリ開発者にとって、「良いアプリをつくる」ことと同じくらい、
「他に真似されないように守る」ことが重要になってきています。
画面の見た目は意匠で、機能や操作は特許で。
自分たちが時間をかけて作った価値ある体験を、
“資産”として残すために、知財の視点を取り入れてみませんか?
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