💡知財 × DX時代:ITサービス企業が今すべき権利対策3選
2025.10.08
こんにちは、弁理士の植田です。
DX(デジタルトランスフォーメーション)が進む中で、
ITサービス企業が急成長する一方、「知財の壁」にぶつかるケースが増えています。
「後発に真似された」
「契約先にロゴを取られていた」
「特許を出そうと思ったら、すでに他社が出願済みだった」
こうした事態は、技術や仕組みを“守る視点”
がないまま事業を進めた結果とも言えます。
特に、ITサービスやSaaSビジネスでは、アイデア・アルゴリズム・デザイン
といった“無形資産”が収益の源泉。
今回は、今のうちに押さえておきたい「3つの知財対策」を紹介します。
1.「仕組み」に特許をかける:DXならではの“技術的課題”を見極める
ITサービスに特許って必要?と思われるかもしれませんが、
今、最も出願件数が増えている分野のひとつが
「ビジネスモデル特許」です。
DXの現場では、
・データの取得・分析方法
・アプリやクラウドを使った業務フローの自動化
・ユーザーごとの表示制御や通知機能
など、独自の処理ロジックやフローが設計されていることが多く、
これらは技術的な工夫=特許の対象になり得ます。
特に「業務効率化」「予測」「自動化」といった機能には、
審査官も注目しています。
まだ誰もやっていない「やり方」を形にしているなら、
特許で“先手”を取りましょう。
2.「名前」や「UI」は商標・意匠で守る
プロダクト名・ロゴ・UIデザインなどは、
ユーザーとの“接点”であり、ブランドの核心部分です。
ですが、実際の現場では、
・サービス名を商標登録しておらず、他社に先に出願された
・ロゴを外注デザイナーが別クライアントにも流用していた
・UIのデザインが酷似したアプリが後発で出てきた
といったトラブルが後を絶ちません。
特に「画面意匠(UIの構成・見た目)」は、
近年になって意匠法でしっかり守れるようになりました。
使いやすさだけでなく、見た目の差別化も“資産”に変える時代です。
3. 契約書で「知財の帰属」を明確にする
外注先や共同開発パートナーと作業する機会が多いIT企業にとって、
知財の“帰属”を契約で明確にしておくことは必須です。
例えば、
・ソースコードの著作権はどちらが持つのか?
・特許が取れた場合、出願人は誰になるのか?
・ロゴやUIをデザイナーが作ったとき、利用権限はどこまであるのか?
といったポイントを曖昧にしたまま進めると、
のちに商談やM&Aで揉めるリスクがあります。
出資や提携を検討する相手企業からも、
知財の整理状況はよく見られています。
●まとめ:DXのスピードを“守れる設計”に変える
スピード重視のDXにおいて、知財対策は「足かせ」ではなく「武器」です。
早い段階で知財の目線を入れることで、模倣を防ぎ、差別化を維持し、信頼を高めることができます。
今ある価値を「見える化」し、「守れる仕組み」をつくる。
ITサービスの“仕組み”や“見た目”を、知財の力で支えていきましょう。
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