【意匠登録入門】UI・パッケージ・ラベルを“見た目”で守る方法
2025.10.10
こんにちは、弁理士の植田です。
商品やサービスの「見た目」、ちゃんと守れていますか?
ロゴや名前は商標で守れることは
よく知られていますが、実はそれだけでは不十分。
スマホアプリのUI、商品のパッケージ、ボトルの形、ラベルのデザインなど──
見た目そのものを守るには「意匠登録」が必要なんです。
この記事では、意匠登録を知らなかったことで損をしないために、
UI・パッケージ・ラベルなどのビジュアルを守る方法を、実例とともに解説します。
■そもそも「意匠登録」って何?
簡単に言うと、「目に見えるデザイン」を保護する制度です。
単なる図案ではなく、“機能を持った製品の外観”も対象になります。
たとえば、
・家電の独特なボタン配置
・アプリの操作画面
・商品のボトル形状
・パッケージの全体構成
こうした「形」「配置」「模様」「色彩の組み合わせ」など
を守れるのが意匠登録です。
■「アプリ画面(UI)」も意匠で守れる?
実は、スマホアプリの画面も“画面意匠”として登録可能です。
ポイントは、「機器の表示と連動して動作する画面」であること。
たとえば、以下のような場面が登録の対象に。
・特徴的なログイン画面
・独自の操作フローがある画面
・ボタン配置やアニメーションのパターン
アプリ市場は競争が激しく、コピーも容易。
差別化されたUIは、意匠登録でしっかり守っておくと安心です。
■「パッケージ・ラベル」も商標だけでは不十分?
多くの人が、商品パッケージやラベルは
「商標で守ればいい」と思いがちですが、
商標は“名前やロゴ”などを保護する制度。
形状や色使い、装飾の配置といった全体のデザインは対象外です。
たとえば、
・特徴的なボトルの形
・一目でわかる箱のパターン
・飲料缶の模様やカラーリング
こういった要素は、意匠登録でなければ守れないケースが多いです。
■「意匠登録しておけば良かった…」という実例
ある食品メーカーが、自社独自の調味料ボトルをデザイン。
ネーミングは商標登録済みだったが、形状は保護していなかったため、
類似形状で競合他社が販売 → 顧客の誤認・売上減。
このように、ネーミングやロゴだけ守っていても、
見た目が真似されるとブランドの価値が
損なわれることもあるのです。
■意匠登録を考えるべき3つのタイミング
1.新商品を開発するとき
→ デザイン案が固まった段階で、出願を検討しましょう。
2.アプリのUIを設計したとき
→ 他社にない操作画面や構成があれば、画面意匠として保護できます。
3.リブランディング・リニューアル時
→ パッケージやラベルの変更に合わせて、意匠もチェック!
■意匠登録のメリットまとめ
・見た目の模倣を防げる
・ブランドの世界観を守れる
・競合との差別化が明確になる
・出資・取引先へのアピールにも◎
一度登録されれば、基本的に25年間保護されます(更新不可)。
ビジュアルが強みのビジネスであれば、検討する価値は十分です。
■まとめ:意匠は「気づかないうちに損している」分野
商標や特許と比べて、意匠は見落とされやすい分野ですが、
商品やサービスの“顔”とも言える要素を守る大切な仕組みです。
もしあなたが、
・見た目にこだわったUIや商品を作っている
・ブランディングに力を入れている
・真似されるのが怖いと思っている
そんな方なら、いまこそ意匠登録を意識するタイミングかもしれません。
必要であれば、「どこまでが登録できる?」といったご相談にも対応可能です。
お気軽にご相談くださいね。見た目も、資産になる時代です!
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