【スタートアップ向け】資金調達を有利にする“知財戦略”の立て方
2025.10.15
こんにちは、弁理士の植田です。
スタートアップにとって、資金調達の成功=事業成長の鍵。
VC(ベンチャーキャピタル)やエンジェル投資家からの信頼を得るために、
プロダクトやビジネスモデル、チーム体制など多くの要素が求められますが、
「知財」こそが他社と差がつく“武器”になるのをご存知でしょうか?
本記事では、スタートアップが投資家から評価されるために必要な知財戦略について、
実務的な視点からわかりやすく解説します。
■なぜ知財が資金調達で重要なのか?
投資家がスタートアップを見るとき、次のような観点で
知財の有無をチェックしています。
・技術や仕組みが模倣されないか?
・競合に真似されたときのリスク対策はあるか?
・将来的に企業価値が上がる“資産”になっているか?
たとえ現時点で黒字化していなくても、
将来的に独自技術やブランドを使って市場を独占できる
可能性があれば、評価は大きく変わります。
その裏付けとなるのが「特許」「商標」「意匠」
といった知的財産権です。
■スタートアップが押さえるべき3つの知財戦略
1. コア技術は“早めの特許出願”で守る
自社の強みとなるアルゴリズム、制御技術、ビジネスモデルなどがある場合は、
製品リリース前の段階から特許出願を検討することが重要です。
理由はシンプルで、「出願が早い方が権利を取れる=先願主義」だからです。
後から真似されても、先に特許を取っていれば
法的に守ることができます。
さらに、特許の出願実績があることで
「技術的に優位性がある企業」として、VCからの信頼が得やすくなります。
2. サービス名・プロダクト名は“商標登録”しておく
せっかく時間とコストをかけてブランドを構築しても、
その名前が他社の登録商標だった場合、使えなくなるリスクがあります。
ネーミングが決まったら、J-PlatPatなどで商標登録の有無を検索し、
可能であれば出願まで済ませておくと安心です。
商標権を取得しておくと、AmazonやGoogle広告、
SNSでも“正当な権利者”としてブランド保護がしやすくなります。
3. ピッチ資料で“知財の戦略性”をアピールする
ピッチ資料や事業計画書の中に、知財戦略を1スライドでも入れておくと、
投資家の印象は大きく変わります。
たとえば、
・「〇〇特許をPCT出願中、米国・欧州展開も視野に」
・「商標登録済:サービス名×ロゴ(第9類・第42類)」
・「知財顧問(弁理士)と連携し、出願戦略を設計」
このように書くことで、「知財に強い=守りが堅い&将来性あり」と見なされ、
より信頼感のあるスタートアップとして映ります。
■よくある質問:資金がなくても知財対策できるの?
たしかに創業初期は資金に余裕がないケースも多いですが、
次のような方法もあります。
・補助金(例:JAPANブランド補助金、事業再構築補助金など)で出願費用をカバー
・段階的に出願(最初は日本のみ → 資金ができたらPCT出願)
・知財の専門家(弁理士)と顧問契約せずにスポット相談を活用
要は、「何を」「いつ」「どう守るか」の戦略設計さえできれば、
コストを抑えながらも知財を活用できます。
●まとめ:知財は“資金調達の後押しをするレバー”になる
スタートアップにとって知財は、単なる法的保護にとどまりません。
それは、他社と差別化し、競争優位性を持ち、
投資家からの信頼を得るためのレバレッジ(てこ)です。
だからこそ、創業初期から知財の視点を持ち、
事業計画とセットで戦略的に考えていくことが、
結果としてスムーズな資金調達にもつながります。
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