【日本での販路拡大前に】知財を押さえておくと得られる“信用と価格競争力”
2025.10.31
こんにちは、弁理士の植田です。
──「ブランド=価格を守る盾」になる、という商標の本質
海外(たとえばベトナムやタイ)で製造した商品を、日本国内で販売したい──。
そんなステージに立つとき、多くの経営者がまず考えるのは
「販路の確保」や「代理店選定」「ECモール出店」といった販売面のこと。
でも、本当にその前に押さえるべきものが、ひとつだけあります。
それが「知財」、とくに商標登録です。
「うちはまだ有名じゃないから関係ない」「売れるようになってから考えよう」
と思った方ほど、ぜひ読んでください。
■商標登録=名前の“保険”であり、“価格”の防衛線
ビジネスをする以上、「商品名」「ブランド名」「ロゴマーク」は資産です。
そして、日本の法律では、これらを先に“出願登録”した人だけが、
独占的に使える権利を持てます。
つまり、あなたが一生懸命作り上げた商品やブランドも、
先に他人に取られたら使えなくなるリスクがあるのです。
そして、この「商標」が持つ本質的な価値とは――
ブランドは、“価格”を守るための盾になる。
■信用力が問われる日本市場では、“登録している”が強みになる
日本の消費者や取引先は、「目に見える信用」を重視します。
そのため、以下のような場面で商標登録が大きな差を生みます。
・バイヤーとの商談で「商標はありますか?」と聞かれる
・Amazon・楽天などで「ブランド登録」の要件として必要になる
・模倣品対策やトラブル発生時に、差し止めや削除請求ができる
これらはすべて、“登録しているかどうか”で判断されます。
売れてからでは遅いのです。
■登録していないと、価格競争に巻き込まれる理由
商標がない状態で販売すると、どうなるか。
模倣や類似品が市場に出てきても、止める手段がなくなります。
結果どうなるかというと──
・値段を下げて競争するしかなくなる
・「あの商品は安売りされてるブランド」という印象がついてしまう
・再販価格が守れず、卸先に敬遠される
いくら品質が良くても、価格でしか勝負できない状況に追い込まれる。
その一線を守ってくれるのが、“登録されたブランド”という証明なのです。
■特に「海外発ブランド」が商標で守るべき理由
ベトナムやタイで製造し、日本で販売を伸ばしていこうとする場合、「日本国内での商標登録」は最優先事項です。
理由はシンプル。
・海外製品は真似されやすい
・海外メーカー名ではなく、日本の販売ブランド名が先に登録されがち
・せっかく日本でファンがついても、名前ごと他人の手に渡るリスクがある
「海外で作ったものだから、日本では自分の権利になる」
は通用しません。
“どこで作ったか”ではなく、“どこで売るか”が重要なのが、
日本の知財制度です。
■まとめ:知財は「販路をつくる前の地ならし」
販路拡大や広告・営業に力を入れるのは、もちろん大事です。
でも、その前に商標を取っておかないと――
・せっかく育てたブランドが他人のものに
・ブランド力で価格を守ることができない
・ECや卸との取引で「登録されてないの?」と信頼を損ねる
知財=ブランドの防御力+価格の安定力。
それを早期に整えておくことが、日本市場で長く売り続けるための前提条件となります。
■最後に|「うちはまだ小さいから…」という方へ
登録するかどうかを迷う方ほど、ぜひ考えてみてください。
・小さいから守らない → 守っていないから狙われる
・販路が広がる前に出願 → 将来のトラブルを防げる
ブランドに「未来」を見ているなら、今こそ、守りの一手を。
商標は、売れるための準備ではなく、「売れたときに守れる状態」
にするためのものなのです。
■商標・知財のご相談、オンラインで全国対応しています。
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