【要注意】“ベトナム製だけど日本で売る”なら、日本で商標を取らないと守れません!
2025.11.01
── 海外で作ってても、日本で売るなら“日本で権利化”が必要な理由
こんにちは、弁理士の植田です。
「うちはベトナムで製造しているから、商標もベトナムで取ってるし大丈夫」
そう思っていませんか?
実はそれ、日本の市場では“まったく守られていない状態”かもしれません。
海外で製造していても、日本で売るなら、
日本で商標を取っておかないとリスクが高いんです。
今回は、ベトナムやタイなど、東南アジアで製造しながら
日本で販売している企業向けに、なぜ「日本での商標登録」が必須なのか、
その理由と対策をお伝えします。
1. 海外で取った商標、日本では“効かない”って知ってましたか?
商標は「国ごとの制度」です。
つまり、ベトナムで商標登録していても、
日本ではその権利はまったく効力がありません。
たとえば…
・ベトナムで「ABC」というブランド名で登録済み
・でも日本では未出願のまま販売開始
・→ そのすきに、第三者に“ABC”を日本で先に出願されてしまうリスクが…
一度他人に取られてしまうと、自分の商品名なのに
“使えなくなる”ケースもあるのです。
2. 実際に起きた「逆に取られた」事例
東南アジアで展開していたアパレルブランドが、
日本進出に合わせて輸入販売を始めたところ、
すでに他社が同じブランド名を日本で出願・登録済み。
その結果…
・日本で販売した商品が「商標権侵害」扱いに
・店頭から商品を回収・販売中止に
・ブランド再構築・パッケージ変更で数百万円の損失
海外でどれだけ信頼されているブランドでも、
日本で未登録だと“他人の商標”になりかねないのです。
3. 「販売する国」で権利を取るのが原則
商標は「先願主義」(=早い者勝ち)の制度。
しかも、「販売される国ごとに登録が必要」な仕組みです。
つまり、
・ ベトナムで作る → ベトナムで登録
・ 日本で売る → 日本で登録 ← これが抜けていると危ない!
特に、ECサイト(Amazon・楽天・自社EC)などを使って
国内販売を開始した段階で、すでにリスクは発生しています。
4. こんな商品・事業者こそ要注意
・海外OEMで商品を作って、日本で販売している
・ベトナム発ブランドを、日本の雑貨店やアパレル店で展開中
・日本語パッケージで国内向けに販売している
・Amazonで販売しているが、ブランド登録が未対応
これらは、すぐにでも「商標出願」を検討すべきパターンです。
5. 対策:日本での商標出願は“販売前 or できるだけ早く”
商標出願は、販売開始よりできるだけ早いタイミングで行うのが理想です。
・商品名・ロゴ・ブランド名が決まった段階で相談する
・日本語版のパッケージやタグデザインが決まったら、同時に確認する
・ベトナムなど現地での権利取得とセットで、日本での出願も忘れずに
「すでに販売開始している…」という場合でも、
すぐにでも出願しておくことで、被害拡大を防げます。
■まとめ|「どこで作ったか」ではなく、「どこで売るか」で商標を取る
グローバル化が進み、海外生産+日本販売というビジネスモデルは当たり前になりました。
だからこそ、「販売する国で権利を取る」という意識がますます重要になっています。
ベトナムやタイで立ち上げたブランドを、日本で育てたいなら、
商標登録は
“ブランドを守る最初の一手”として、今すぐ準備しておきましょう。
💬 海外製品の日本向け商標出願、対応しています
・商品名・ロゴの出願前チェック
・日本語パッケージへの適用可能性の確認
・類似商標の調査と回避策のご提案
まずはお気軽にご相談ください。
あなたのブランドを、日本でしっかり守りましょう。
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