【商標出願いつやる?】「リリース前 or 後」問題を徹底解説
2025.11.02
── その名前、“誰かに先に取られる前”に動いていますか?
こんにちは、弁理士の植田です。
新しいサービスやブランドを立ち上げるときに、よく聞かれる質問があります。
「商標って、いつ出願すればいいですか?
サービスや商品をリリースした後でもいいんですか?」
答えは明確です。
■ 基本は“リリース前”に出願すべきです。
ただし、業態やリスクの取り方によっては多少の調整もあり得ます。
この記事では、商標出願のタイミング問題をわかりやすく整理し、
「なぜリリース前が推奨されるのか」「後出しだと何が起きるのか」などを解説します。
1. 商標は“早い者勝ち”──「先願主義」の世界
まず大前提として、日本の商標制度は「先願主義」です。
これは、
「最初に使った人」ではなく、
「最初に出願した人」が優先される
というルール。
つまり、どれだけ思い入れがあるネーミングでも、
他人が先に出願・登録してしまえば
あなたは使えなくなる可能性があるのです。
2. リリース前に出願するメリット
■ 名前を“奪われる”リスクを防げる
発表・公開後は誰でもその名前を知ることができるため、
第三者に出願されるリスクが一気に高まります。
実際に、
・クラウドファンディングのプロジェクト名
・発売前にプレスリリースで発表した商品名
・SNSで告知して話題になったサービス名
…こういったものが他人に商標を取られてしまった例は珍しくありません。
■ ブランド育成に安心感が生まれる
先に商標を出願しておけば、リリース後も安心して名前を広められます。
「いつか取ろう」ではなく、“始める前に守る”が鉄則です。
3. リリース後に出すと、こんなリスクが
「実際に使ってから出したほうが、無駄がない」
と考える人もいます。
たしかに、それも一理あります。
でも、その間に起こるかもしれないトラブルが深刻です。
× 他社に先に出されて登録される
→ 自分が“商標権侵害”になる可能性も
× 出願したら拒絶された
→ 公開済みなので、名前変更も難しい
×クレームや警告が来て、リブランディングを余儀なくされる
→ 印刷物・Webサイト・営業資料などをすべて作り直すコストと労力
出願タイミングが遅れると、
取り返しのつかない事態に発展するリスクがあります。
4. 「例外的にリリース後でもOKな場合」は?
以下のようなケースでは、リリース後の出願でも
大きなリスクにはなりにくいことがあります。
・社内限定で使う名称(一般に公開されていない)
・特定のクライアント向けのBtoB商材(広く知られていない)
・登録性が高く、使用者が極端に少ない業種の固有名称
ただし、それでも「知らないうちに先に出された」リスクは常にあります。
本気で育てていきたいブランドであれば、“使用前出願”が原則です。
5. 出願のタイミングを調整する方法
「まだ名前が完全に固まっていない」「製品仕様が変わるかも」という場合でも、
先に“仮押さえ”として出願しておくという方法があります。
・ネーミングが決まった段階で出願
・商品やサービスの細部はリリース直前まで調整
・不要になったら、出願の取り下げ or 放棄も可能(費用は一部無駄になるが損害は最小)
つまり、「使うかどうか分からないから出さない」ではなく、
“守るために先に出す”という発想が大事です。
■まとめ|“始める前に守る”が鉄則です
商標は「ブランドを守るための保険」ですが、
事故が起きた後では入れません。
・ 名前を公開する前に、まずは出願
・ 使用前でも出せるのが商標の強み
・ 出願すれば、安心して広報・販売できる
事業が大きくなるほど、「名前を変えられない」リスクが重くのしかかります。
その前に、出願という小さな一歩を踏み出しておきましょう。
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