【模倣リスク】海外生産→日本販売の商品が狙われやすい3つの理由と対策
2025.11.03
── 商品ラベル・デザイン・名前を守る「知財防衛」の基本とは?
こんにちは、弁理士の植田です。
海外で生産して、日本で販売する。
いまや当たり前になったこのビジネスモデル。
ベトナム・タイ・中国などで製造し、コストを抑えて日本の市場で
勝負するというスタイルは、多くの企業や個人事業主にとって魅力的です。
しかしこのモデルには、“模倣リスク”という落とし穴があります。
しかも、売れれば売れるほど真似されやすくなるという、非常に理不尽な現実も。
この記事では、海外生産→日本販売モデルがなぜ狙われやすいのか、
そして商品ラベル・デザイン・名前を守るための意匠・商標の視点をわかりやすく解説します。
なぜ狙われる?海外生産→日本販売モデルが抱える「3つのリスク」
① 生産国での製造情報が流出しやすい
海外で製造を委託していると、
・図面やデザインデータ
・商品仕様
・パッケージデザイン
などの情報が、現地工場やサプライヤーに渡ります。
そこから類似品を作る業者に流れたり、
OEM先が勝手に別ブランドで販売したりするケースも。
② 「販売国」での権利化が後回しになりがち
「海外で作ってるし、日本での登録は後でいいか…」
そんな油断が、模倣品に名前やデザインを奪われる原因になります。
商標や意匠は、日本市場での販売を守る“盾”です。
売る国での登録を優先しないと、
「日本で先に出願されたら負ける」というケースも起こりえます。
③ EC販売・展示会で“商品そのもの”をさらしてしまう
オンラインで販売する、展示会に出展する。
販路を広げること自体は良いことですが、それによって名前・ロゴ・パッケージなどが丸見えになるという側面も。
「まだ商標も意匠も取っていない状態で、全国に露出してしまう」
これが、模倣されやすくなる最大のきっかけです。
■守るための対策:「商標」と「意匠」の2つの視点
● 商標:商品名・ブランド名を守る
どんなに良い商品でも、名前を取られたら売れません。
商標は、名前・ロゴ・シリーズ名などを守る手段です。
とくに重要なのは「販売国(日本)」での出願です。
海外での使用実績があっても、日本では“出願順=権利”なので、
先に出されたら負けます。
● 意匠:パッケージやラベルデザインを守る
商品の「見た目」=意匠も、競合との差別化に重要な要素。
売れている商品のパッケージデザインは、真似されやすいポイントの一つです。
意匠登録をしておけば、“パッと見そっくり”な模倣品にも
法的対応が可能になります。
とくに、以下のようなデザイン要素があれば要検討です。
・特徴的な色使いや図柄のパッケージ
・オリジナルのボトルや容器の形状
・シリーズで統一されたラベル構成
■タイミングが重要:「販売前に出願」が基本
商標・意匠の両方に言えることですが、
出願のタイミングが超重要です。
特に意匠は、“公開から1年以内”という制限があるため、
先に売ってしまうと出せないことも。
また、商標も「リリース後」では他人に先に出されるリスクが高まります。
商品名やデザインが決まった段階で、
できるだけ早く出願しておくことが大切です。
■まとめ|海外生産でも「日本で守る」が原則
海外で作っていても、日本で売るなら守るべき場所は“日本”。
そして、守るべきポイントは「名前」と「見た目」です。
・商品名・ブランド名 → 商標で守る
・パッケージ・ラベルデザイン → 意匠で守る
・出願タイミングは“販売前”が基本
模倣品から自社の商品を守るためには、予防的な知財戦略が鍵になります。
売れてから対策するのでは遅い時代、ぜひ早めの準備をおすすめします。
📩 ご相談はお気軽に
「うちの商品でも意匠登録できる?」
「日本での商標、間に合う?」
といった具体的なご相談も、初回無料で承っています。
海外で生産し、日本で販売するビジネスをされている方は、ぜひ一度ご相談ください。
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