【元社員が独立して同じ名前で店を出した!?】商標登録していれば防げた話
2025.11.15
こんにちは、弁理士の植田です。
ある日突然、「○○店って、支店出したんですね!」「系列ですか?」とお客様から言われて驚くオーナーさん。
実はそれ、独立した元社員が勝手に使っているだけだった…なんて話、現実に起こっています。
しかも、そのお店の名前もロゴも、まったく同じ。
看板もそっくり。だけど、経営者は別人。
今回は、商標登録をしていれば防げたトラブルについて、実例に基づいてご紹介します。
■ よくあるケース:信頼していたスタッフが…
個人経営の飲食店や美容室、整体院などでは、長年勤めていたスタッフが独立することはよくあります。
多くの場合は円満に送り出しますが、問題になるのは次のようなケース。
・同じ屋号を使っている
・ロゴ・店内デザインがそっくり
・SNSやGoogleマップ上でも混同される
・顧客が「同じ店」と勘違いして訪れる
つまり、「ブランドを無断で利用されている」状態です。
■ 商標登録していれば“法的に止められる”
商標登録をしていれば、このような事態に対して…
・使用の差止請求
・損害賠償請求
・看板やウェブ表示の変更要求
といった法的手段をとることができます。
登録しているというだけで、相手に対する強い抑止力にもなります。
逆に、登録していない場合、止めるのが非常に難しいのが現実です。
■ 登録していないと、逆に商標を“奪われる”ことも…
さらに怖いのは、元社員の方が先に商標登録してしまったケース。
例えば、
・オーナーは長年、商標を使っていたが登録していなかった
・独立した元社員が、同じ名称で出店&商標登録
・結果、本家の方が“商標侵害者”として訴えられる
という本末転倒なことにもなりかねません。
■ 商標は「先に使っているだけ」では守れない
日本の商標制度は原則として「先願主義(=先に出願した者勝ち)」です。
もちろん、使用実績が長ければ異議申立など一定の主張も可能ですが、時間も費用も労力もかかり、結局泣き寝入りするケースがほとんど。
早めの登録が、もっとも確実な防衛策です。
■ よくある誤解:「うちは小さいから必要ない?」
むしろ、小規模な事業こそ商標で守るべきです。
なぜなら、
・名前を変えるのが経営的に致命傷になる
・信用がその「名前」に集まっている
・商標の侵害は一度起きると被害が大きい
からです。
今は簡単にネットで出店・SNSで告知できる時代。
誰でもすぐに「真似できる」環境が整ってしまっています。
■ まとめ:あなたの「屋号・サービス名」は守られていますか?
・「従業員が独立したら困る名前」ではありませんか?
・「ネットで検索されるときの第一キーワード」ではありませんか?
・「ずっと大事に育ててきたブランド」ではありませんか?
それなら、商標登録をしておくべきです。
もしまだ登録していないのであれば、今が一番早いタイミングです。
📌 屋号・サービス名の商標登録について気になる方は、お気軽にご相談ください。
予防が最大の防御です。
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