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【特許 VS ノウハウ】技術は公開すべき?それとも隠すべき?

2025.11.24

こんにちは、弁理士の植田です。

今回は、技術系スタートアップや製造業の経営者さんからよく聞かれるテーマ——
「この技術、特許出すべきですか?それとも秘密にしとくべきですか?」
についてお話しします。

技術がある=特許出願が正解、と思われがちですが、実はそう単純でもありません。
「特許」と「ノウハウ(企業秘密)」には、それぞれメリット・デメリットがあるんです。


■特許とノウハウの基本的な違い

まずはざっくり整理しておきましょう。

特許:技術を公開する代わりに、一定期間の独占権(通常20年)を国からもらえる
ノウハウ:技術を秘密のまま自社で抱えることで、長期的に差別化できる

どちらも「技術を守る」手段ではあるんですが、守り方がまったく違うんですね。


■特許を選ぶべきケース

では、どんなときに特許が向いているのか?代表的な例は以下のような場合です。

①「他社に真似されたくない」が最優先

競合が似たような製品・技術を出してくるリスクが高い場合、法的に排除できる特許の力は大きいです。
営業的にも「特許取得済」と言えるのは信頼感アップにもつながります。


②ライセンスや提携の材料にしたい

特許は交渉の“カード”としても使えます。
特にスタートアップなら、技術をライセンスしたり、共同開発のきっかけになることも。

③一定期間後に真似されても問題ない

たとえば「数年の市場独占で十分利益が出せる」と判断できる技術なら、公開してもリスクは小さめです。


■ノウハウとして守るべきケース

一方、特許にしない方がいい=“あえて隠す”ほうが得なケースもあります。

①技術がブラックボックス化できる

製造工程やレシピなど、外から見ただけでは真似できない技術は、公開するよりも隠した方が有利です。
(例:コカ・コーラのレシピ)


②改良やアップデートが頻繁

数年ごとに新技術が生まれ、常に進化している業界では、出願や公開の手間よりもスピードと秘密保持が勝ることもあります。

③出願した時点でバレたら不利になる

特許は「出願=公開」。
つまり、ライバルにヒントを与えてしまう可能性もあるんです。
特に中国・韓国など海外の模倣が懸念される分野では慎重に。


■どちらにも共通する注意点

実は、どちらを選ぶにしても共通する落とし穴があります。

それは……

「うっかり公開」=どちらの選択も無意味に

たとえば、展示会で技術を説明したり、プレスリリースで詳しく紹介したり……

その時点で「新規性が失われて特許NG」「秘密情報が漏れてノウハウNG」になることがあります。

だからこそ、早めの知財戦略が重要なんです。


■まとめ:特許とノウハウ、選ぶ基準はこれ

最後に、ざっくりとした判断基準をまとめておきます。

技術の内容が外から見てわかる? → YES → 特許を検討
見えない・真似しにくい? → ノウハウとして保持
短期集中で稼ぐ? → 特許向き
長く使い続ける? → ノウハウ向き

もちろん、これだけで決めきれるものではないので、ケースバイケース。
複数の技術を「特許にするもの」「秘密にするもの」と組み合わせて設計するのがベストです。


■「うちの技術はどっち?」と思ったら

特許出願すべきか、秘密にすべきか——
判断を間違えると、せっかくの技術も守れなくなるリスクがあります。

当事務所では、技術の特徴やビジネスモデルに応じた「知財の守り方」のアドバイスを行っています。
スタートアップ・中小企業の方向けに、初回相談も可能ですので、お気軽にご相談ください。

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