【サービス名が売れた瞬間】“早く出しときゃよかった”商標のリアル
2025.11.27
こんにちは、弁理士の植田です。
今回は、「商標登録って、後回しでもええやろ」と思っていた方が、あとで後悔することになった……という“リアルな話”をお伝えします。
実際にご相談いただいたケースをもとに、商標を軽く見ていたことで起こったトラブルと、その教訓をまとめています。
「名前が売れてから考えよう」は、ほんまに危ないですよ。
■「うちのサービス名、有名になってきました!」でも…
ある日、あるスタートアップの社長さんから相談を受けました。
「立ち上げて2年ほどのサービスが最近注目されて、メディアにも取り上げられるようになりました!」
これは素晴らしい話。
SNSでも話題になり、ユーザーも増えていて、いよいよこれから全国展開を目指そう、というタイミングでした。
でも、その後の言葉にヒヤリとしました。
「で、商標なんですけど……まだ何もしてなくて。出願したほうがいいですか?」
えぇ……まだ出してなかったんですか……!?
■まさかの“先取り出願”
調べてみると、そのサービス名とそっくりな名前の商標が、別の会社によって出願済みになっていました。
しかも出願日は、彼らのサービスがちょうどバズり始めた頃。
おそらく、ネットやメディアで話題になっているのを見て、「これは使える」と思われたのでしょう。
スタートアップ側は大慌て。
・自分たちが先に使っていたのに……
・名前を変えるなんてありえない……
・ロゴも看板も全部変えなきゃいけないのか……
そう、「うちが元祖や!」では勝てないのが、商標の世界なんです。
■商標は「早い者勝ち」。感情では解決できない
商標法では、原則として先に出願した人に権利が与えられる仕組みです。
つまり、
・誰が最初に使ったか?
・どれだけ有名か?
・どれだけ思い入れがあるか?
こういった“気持ち”や“経緯”では、裁判でも勝てないことが多いんです。
もちろん、先使用権という制度もありますが、
これは非常に限定的かつ証明が大変。現実的には「名前を変える」選択を迫られることもあるのです。
■「バズる前」に出すのが“商標戦略”
この事例からの教訓は明確です。
「売れてから」では遅い。名前を決めた段階で、まず商標を出す。
・サービス名を決めたらすぐに商標検索
・登録可能なら、早めに出願
・類似名の調査や、ロゴの保護も併せて検討
特に最近は、SNSや口コミで“突然バズる”こともある時代。
逆に言えば、「誰が見てるかわからない」=「マネされるリスクも常にある」ということです。
■まとめ:商標は「安心して育てる」ための準備
・商標は早い者勝ち。有名になる前に手を打つべし
・名前がビジネスの“命”なら、保険をかけておくのが当然
・「今さら…」になる前に、一歩先を読んだ知財戦略を
■「うちも出した方がいい?」と思ったら
・サービス名や商品名を考えたばかり
・今は小規模だけど、これから広げたい
・類似名を見かけて少し不安…
そんなときは、お気軽にご相談ください。
商標検索から出願、ロゴやネーミング戦略まで、中小・スタートアップに寄り添った知財サポートを行っています。
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