【あなたの技術、狙われてるかも】営業秘密を守る『社内ルール』の作り方
2025.11.28
こんにちは、弁理士の植田です。
今回は、「特許にはしないけど、大事な技術・ノウハウがある」という会社に向けて、
営業秘密(=企業秘密)をどう守るか?
その中でも重要な「社内ルールの作り方」にフォーカスしてお話します。
実は今、中小企業の技術やノウハウが外部に流出する事件、どんどん増えてます。
外からのスパイだけじゃなく、内部の“うっかり”や“モヤモヤ退職”が原因になるケースも少なくありません。
■営業秘密=出願しないからこそ「自衛」が必要
営業秘密とは、特許のように「出願して守る」ものではなく、
会社の中で“秘密にしているからこそ価値がある”情報のこと。
例えばこんなものが該当します。
・製品の製造レシピ
・加工条件や工程ノウハウ
・価格設定や仕入れ情報
・顧客リスト、営業トークスクリプト
これらが競合に渡ると、一気に価格競争や模倣の波に巻き込まれるリスクがあります。
しかも、一度漏れた情報は元に戻せない。
だからこそ、日ごろのルールづくりが命綱になるんです。
■実は“守ってるつもり”では守れない?
「ウチは機密情報をちゃんと管理してますよ」
そうおっしゃる企業でも、詳しく聞くと……
・パスワードは全社員共通
・社外へのデータ持ち出しを口頭で注意してるだけ
・退職時のルールがあいまい
・「機密」と書かれていない資料が多数
……というケース、少なくありません。
営業秘密は、「秘密として管理していた」という事実がないと法的保護を受けられません。
つまり、“守るルール”を作って、“守っていた証拠”を残す必要があるんです。
営業秘密を守るための「社内ルール」3つの柱
では、何から始めればいいのか?
ポイントはこの3つです。
①【アクセス制限】見る人・触れる人を絞る
・技術資料や設計図は、プロジェクト関係者のみアクセス可能に
・クラウドやサーバー上のフォルダも、閲覧・編集権限を個別設定
・USBや私物PCへのデータ保存を原則禁止に
「誰でも見られる」状態では、秘密と認められません。
②【情報ラベリング】機密情報は“明示”する
・ファイル名や資料のヘッダーに「社外秘」「機密」などの記載を
・印刷物も同様に、見た目でわかるよう明示
・重要なものは、印刷・持ち出し・複製の制限をかける
「これは秘密です」と意識づけることが、漏えい抑止にも効果大です。
③【人のルール】教育・契約・退職時対応を徹底
・入社時に秘密保持契約(NDA)を締結
・社内研修で「営業秘密とは何か?」を定期的に教育
・退職時には「秘密情報の返却・削除」のチェックリストを運用
退職者による情報持ち出しは、実は最も多い流出ルートのひとつ。
制度と運用、両方が大事です。
■まとめ:「秘密は黙って守られる」時代ではない
・営業秘密を守るには、「出さない」だけでなく「守った証拠」が必要
・情報の分類・アクセス制限・表示・契約・教育など、社内での仕組み化がカギ
・ちょっとした社内ルールの整備で、技術の価値が“守れる資産”に変わる
■「ウチの技術、営業秘密として守れる?」と思ったら
「そもそも何が営業秘密か分からない」
「ルール作りのひな型が欲しい」
「既にトラブルが起きそうで心配」
そんな場合も、営業秘密保護の制度設計・チェックリスト作成・契約整備までお手伝い可能です。
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