【実録】アメリカで商標を取るときに驚いた3つの違い〜弁理士植田が現地で感じたこと〜
2025.05.30
アメリカで商標を取ろうとすると、こんなにも違うのか。
こんにちは、弁理士の植田です。
先日、アメリカ・サンディエゴに出張したのですが、現地での知財事情を肌で感じてます。
特に驚いたのが、「商標制度の文化的な違い」。
日本と同じ感覚でいくと、思わぬ落とし穴にハマるかもしれません。
今日は、現地の企業や知財担当者と話す中で感じた、
“アメリカで商標を取るときに驚いた3つのポイント”をシェアします!
① 「登録」よりも「使用」がめっちゃ重視される(使用主義)
日本では、商標は先願主義(早い者勝ち)が原則です。
つまり、実際に使ってなくても、早く出願して登録された方が権利者になります。
でもアメリカは違います。
なんと、「実際に使用していること」がめっちゃ重視されるんです。
▶ 登録の際にも「使用証拠」が必要!
たとえば出願時や登録時には、
- 実際に商標を使っている商品写真
- サービス画面のスクショ
などの“使用してますよ”という証拠画像(Specimen)が求められます。
日本みたいに「とりあえず出願しとくか〜」が通じない世界。
しっかりビジネスとして動いていることが重要です。
②「異議申し立て」や「調査文化」がめちゃくちゃ根付いている
現地で特に驚いたのが、
商標をめぐる“攻防”がめっちゃアクティブということ。
▶ USPTO(米国特許商標庁)の審査後、30日間の「公告期間」に注目!
審査を通った後、商標は30日間、第三者からの異議申し立て(Opposition)を受けることになります。
ここで他社から「うちの商標と紛らわしい!」とクレームが入ると、登録が止まる可能性もあるんです。
▶ ブランド側も「ウォッチ」してる
逆に、大手企業やブランドは、
自社に似た名前・ロゴが出願されたらすぐ気づくように、ウォッチ体制を敷いています。
つまり、商標出したら終わりじゃなく、周囲を見張るのも当たり前なんです。
③ 商標は「攻めの武器」。ブランド戦略のど真ん中にある
アメリカの企業は、商標を“守るための権利”ではなく、
“市場を取るための攻めの武器”として使っている印象がめちゃ強いです。
▶ 商標=資産、という感覚
日本だと「会社名だけでも出しとこうか」みたいな感覚が強いですが、
アメリカでは、
- 新サービスごとに商標出願
- スローガンやロゴも即押さえる
- 商品の売り出し前に商標クリアランス調査をする
など、“ブランド設計=知財設計”とセットで進んでいるのが印象的でした。
まとめ:「海外展開するなら、商標の文化も知っておこう」
日本とアメリカでは、
制度自体は似ていても、運用や文化はまったく違います。
改めて現地で感じたのは、
▶ 「使用主義」=ちゃんと使ってるかが命
▶ 「異議・ウォッチ文化」=他社との争いが前提
▶ 「ブランド戦略=商標戦略」になってる企業の強さ
海外展開を考えている方は、
日本と同じ感覚で商標を扱うと危ないかもしれません。
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